どうせ赤いデッキ組むなら最速じゃないとやだ!
って人も世の中には居ますね。
私はマジックにおいて
最速=速いターンで確実に勝つ
という事だと思っているので、
今回は赤いデッキの観点からそんな「最速」に迫ってみようと思います。

☆ポイント1
まず、赤いマジックは20点を削るゲームです。
ハンドアドバンテージなんてものは要りません。
基本的に如何に多くの打点を入れられるかを考えます。
ゴブリンの先達は1tに出れば平均4点くらいを見込めます。
相手に除去や防壁が無ければそれ以上です。
従って不動の4枚刺しとしてあらゆる環境で活躍しています。
ではそれをスタンダードでやるにはどうすればいいか?

スタンダードにも1マナの生物は多く居ます。
そして大抵はスピーディなデッキが組めます。
が。
この時忘れてはいけないのは、
実戦では除去やカウンター、防壁があり、
思うようにダメージが通らないという事です。
かのゴブリンも《スラーグ牙/Thragtusk》の前にはなす術もありません。
そこで、構築ではそういった除去や妨害を
想定した上でデッキを構築します。
環境を見ない赤単は常勝する事は出来ません。
(その手のデッキは「Boggles」や
「トラフトゴー」と言った攻め手オンリーデッキに分類されます。)

☆ポイント2
前置きが長くなりましたが、
赤いデッキで相手に通用するカードは大きく分けて2つです。
・効率度外視で高いクロックになるもの=パワーカード
・回避能力をもっているカード=火力や飛行速攻

前者は《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》で、
後者は《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》や
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》ですね。

しかし皆さんが通常考える「速攻」や「最速」は
決してこういったカードではないのでは?
扇動者は別にしても、嵐息吹は遅い、と思う方も多いですよね。
そうなんです。
実際組むとこうなります。

4《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
4《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
4《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
4《国境地帯の匪賊/Borderland Marauder》
4 War-Name Aspirant 2/1 +1/+1 Raid
4《モーギスの軍用犬/Mogis’s Warhound》
4《常炎の幻霊/Everflame Eidolon》
4《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》

4《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》
2《稲妻の一撃/Lightning Strike》
2《凱旋の間/Hall of Triumph》

x山


強そうですか?そうでもない?
実際相手にするとわかりますが、
この手のデッキはいくつかの弱点を最初から抱えています。

・継戦能力が低い=中後半戦にトップが極端に弱くなる←低マナ域に寄せている
・倒せない敵がいる←まともな除去を持っていない

新環境でもブロック構築や旧スタンの連中は猛威を振るいます。
そういったカードは大抵パワーカードであり、
盤面やライフ、手札に少なからず影響を与える奴らです。
少しでもそういった弱点をカバーする為に、
先ほどのデッキは少し工夫しました。
利用したシステムは「授与」です。

ラヴニカテーロススタンではあまり目立たなかった授与ですが、
今後環境の低速化に合わせて一定数以上使われると思います。
《加護のサテュロス/Boon Satyr》と
《責め苦の伝令/Herald of Torment》が強い事は以前述べましたが、
《万戦の幻霊/Eidolon of Countless Battles》や
《夜の咆哮獣/Nighthowler》も一部のデッキで採用されています。

《モーギスの軍用犬/Mogis’s Warhound》と
《常炎の幻霊/Everflame Eidolon》は、
単体・全体除去に対して生物を強くするだけでなく、
そのサイズを底上げする事で
《森の女人像/Sylvan Caryatid》や
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
を越えていく事を目的としています。
初動は生物として展開。
中盤以降は授与を活用する形になると思います。


いやいや、そんなカードいらねーっしょ、
適当に《かき立てる炎/Stoke the Flames》でも積んどけばいいぜ。
と思われる方も居るかもしれません。
実際炎は狩猟者を除去出来、後半本体にも投げる事が出来ます。
当然可能なら積むべきカードですが、
そこで少し記事を巻き戻してください。

私は「相手に通用するカード」として上記で2点を挙げました。
炎はどちらかといえば後者寄りで、
盤面に出ているクロックをサポートしたり、
相手の除去を受けない4点として使えます。
しかしこれが相手に「通用」しているかは疑問です。

赤いデッキを使うとつい相手を見なくなってしまいますが、
最も速く20点を削るデッキというのは、
逆に言えば可能な限り最善の手筋で20点を削るデッキになります。
相手の手札、盤面、これからの可能性を考慮した上でプレイするデッキです。
つまりマジックに必要な殆ど全ての要素を持っているデッキなのです。
ですから、適当に4枚刺しを理由無く積むのではなく、
自分の環境でそのカードが通用しているかどうか、
を常に考える構築を心がける事になります。


以下ひみつへと続く。

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