がっかりさん-Despite all the meaning-
がっかりさん-Despite all the meaning-
がっかりさん-Despite all the meaning-
>何に突き動かされてきたのよ
ミヒャエル・ファスベンダーさんの無駄遣いをした3本の映画について。


1枚目
"アサシンズ・クリード"より。
古代の暗殺者、アギラールと、
近未来のチンピラ、カラム・リンチ。

2枚目
"プロメテウス"より。
ノオミ・ラパス、シャリーズ・セロンの2人と。
この2人をもっと活かして、
かたやウェイランドの陰謀、
かたやエイリアンとの死闘に位置づけた方がよかったのに。

3枚目
"プロメテウスtoコヴェナント"の撮影現場から。



CAUTION:今回はネタバレが含まれています。
3作品を観ていない、先入観無しで見たい、
ネタバレなんぞ許さん!の方はお引き取り下さい。
コヴェナント以外見たって人は途中までどうぞ。

今年一般公開された映画のワースト3のうち、2つに入るミヒャエルさん。
私がゴシップで聞くところでは、
共演女優を次々美味しく頂いちゃう超絶イケメンという事しか。
そりゃー、ゲルマン系細マッチョ高身長高収入ですからね。無敵だよ。
それは今回の記事とは関係ないんですけどね。


原稿逃避行-Alice through the looking grass-
原稿逃避行-Alice through the looking grass-

>時間泥棒!
Nicolです。

今回は、本国に続いてやっぱり日本でもポシャッてしまった
アリス2-邦題忘れた-について。
先々月と先月ずっと旅行したり仕事したりしてたので、
そりゃもう見る機会が沢山ありました私。
日本での公開は今月からだったようですが、
デップーにせよアポカリプスにせよ、
氾濫してる日本の意味不明ラブコメの為に枠を譲っているのか!?
というくらい公開が遅すぎて本国で見る頃にはシーズンが違うという。

★評判
ご存知かも知れませんがコケました。
原因は俳優や内容のせいにされがちですが、まず脚本が酷かった。
ディズニーは脱税をしない代わりに、
こういう作品でコケておくことでブートピア、
じゃないズートピアとかドリーの収益を敢えて打ち消してるんですよね!
私知ってますよ!ヒット作の後にXXXX映画を2-3本作るディズニーの手法。
願わくば、エマ・ワトソン演じる美女と野獣のリメイクが
それに当たらない事を願っていますが・・・
今のところ同じディズニープリンセス系だと、
どうやってもリトルマーメイド(クロエ・モレッツ主演)
の方がウェイトありそうなので諦めムードです。


★どんなお話?
原作はルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」の2作目、
「鏡の国のアリス」をモチーフに・・・しているのかと思いきや、
もう完全にシナリオが違うのでここで説明。

~前作までのあらすじ
交易商人の父を亡くした娘のアリス・リドル。
母親のススメで全然タイプじゃない取引先の息子と婚約させられるも、
ワンダーランドにトリップして自我を取り戻すやいなや、それを破棄。
代わりにその父親を誑し込んで、違った、
取り込んで、海外貿易に意気揚揚と出発しました。
1人身になった母親を残して。

~今作からのあらすじ
海外貿易から帰還したアリス。
ところが取引先のおっさんは死亡しており、
後を継いだのはあの嫌な息子。
アリスにフラれた後、さっさと結婚して子供を設けている。
母1人残った財政難のリドル家に資金援助する代わりに、
体を、違う、貿易船とそのルートを寄越せと言ってきます。
母親はあなたの為を思ってなのよ!と勝手に交渉を終わらせてる様子。
最悪だよ!とキレたアリスはまたもやワンダーランドに。
そこで自我を取り戻す(2回目)と、
やっぱりノーを突きつけます。
今度は母親もそれに乗っかって屋敷を売り払い、
それを元手に自分達で貿易会社設立!
(・・・あれっ、それが出来るならなんで今までこの人に気兼ねしてたんだろ?
ともあれ、親子ドヤ顔で新しい航海に出発するところでお話終わり。



★どんな層に向けて作ったの?
この作品のアリスは私の大好きな女優、
ミア・ワシコウスカが出てるので推していきたい・・・しかし限度がある・・・!

失礼しました。
このアリスは他のモチーフ作品に比べて、だいぶ活動的な性格です。
そういった描写を前触れもなく入れるし、
そもそも無名の頃からいきなりこの作品に出てきた辺りも踏まえて、
演じた女優さん本人の性格を強く投影している所があります。
総指揮がティムなので、おそらくフェミニズムに拠った演出が多くあり、
従ってですね、
(男社会の枠組みから)自立した(自由奔放な)女性を描きたかったのだと思います。
ですからターゲットは女性です。もしくはそういう女性に共感したい男性。
て事はデート映画か、そうでなければ女子同士で見に行く人向け。
これが日本の女性から共感を得られるか?は
男性なら奥さんや彼女と見に行ってみればいいし、
女性なら地上波のやつとか見れば大体わかると思います。
結果大コケしたわけですがもういいよね言わなくてね。

この作品は、現実とワンダーランドを行き来するアリスが、
旅の中で得た絆や思いやり、自分がどうあるべきかを見つめ直して、
それを現実に役立てていく物語です。
従って、現実はひどければひどいほどいいし、
ワンダーランドという精神世界を際立たせる為にも、
より多くの困難や教訓が、
摩訶不思議な登場人物に彩られてあればよいのですね。
そういった点でもシナリオがどっちつかずでした。
更にターゲットにした女性層から共感を得られなかった理由、
それは、アリスが落ちぶれて居ながらもイギリス社交界に顔がある
「子爵の娘」という設定だった点です。
そうですよね、普通の庶民、町娘だったら
女伊達に貿易船の船長を務めて貴族と交渉する!なんて事にはまずなりません。
スタートラインが違うのに、普通の子と同じ苦境にあるのよ、
なんて言われても、日本の女性は共感しないのです。
とことんシンデレラ並にイジメられているか、
そうでなければアナ雪みたいに絶対的に女性正義で神話並のいいとこお嬢様、
つまりお姫様でないと人はそこに憧れないのです。
限定感か高級感を備えたアリスなんて、もうそれはアリスじゃないんだけどね。


★脚本の方向性はどうすればよかったのだろうか?
結論を先に書いておくと、
もっとワンダーランドの描写をカオスにすればよかったし、
リアルワールドはとことん悲劇、不幸を切実に描くべきだった。
原作のアリスはその摩訶不思議、
敢えて言えば不気味さが良いのですが、
ディズニー版はそもそもアニメからして
勧善懲悪、傲慢な赤の女王を倒してオシマイ、といった形式なので、
原作無視もいいところなのです。
映画版は流石にそこまでひどくないものの、
物語の筋道を知っている人へ向けた二次創作、
といった感が拭えません。
たとえば日本人はハンプティーダンプティーなんか知らないし、
せいぜいウサギが時間が無い!って叫んでるシーン程度しか印象がありません。
謎かけや物語の中の歌よりも、
盆踊りや甲子園野球の方が大多数の日本人には親近感があります。
これは他の国でもそうですよね。

配役に関して監督や総指揮もそこがわかっているのか、
マッドハッターという人物をジョニデにやらせて
インパクトを持たせようとしたのですが、
そもそもそれが失敗です。
アリスの物語における語り部役といえば、もっぱらチェシャ猫。
不気味でありながら、アリスに助言をする役目です。
混沌としたワンダーランドで、
唯一まともに喋って世の中のルールを教えてくれるのはこの猫でした。
だからこそマッドハッターなんてメインに置いちゃいけなかった。
確かにアリスにとってはインパクトのある相手だし、
あまりまともな事を喋らないワンダーランドの住人の中では、
なかなかに教訓めいた事を言ったり、
形が人間に近かったりで親近感のある人物ではあります。
でもね、あくまで「マッド」なわけで、
どんなに奇抜なピエロメイクをしても、
まともな事を一切言わなくても、(せめて意思疎通が出来なきゃよかったのに
アリスに目配せしたり手助けしたり出来る気が利いたハッターなんて、
それはただのジョニデでしかないわけです。
パイレーツオブカリビアン、インワンダーランドでした。
ハッターは機転を利かせてアリスをティーポットに匿うだとか、
物語を遂行する為に白の女王軍の先陣を切って戦うだとか、
一族全滅の悲しい過去を背負っているだとか、
そういった「まとも」な部分は一切持ち合わせていない人物なのに、
ジョニデがやってるからただのジョニデになっちゃいました。
同じジョニデでもハッター役ではなく、
チェシャ猫を演じていれば作風も違ったようになったかも。
場面場面でジョニデが「発想」も「機転」も演じてしまっているせいで、
なんでアリスが現実世界でそれを得ているのかが説明がつきません。
困難に際して自分で考えて活路を見出すアリスのヒロイン像が、
ジョニデという「騎士」のせいでぼんやりぼやぼやになってしまっています。


★だからこれを見よう
そんな映画でガッカリしてしまった人にお口直しです。
Alice Madness Returns。
ゲームをプレイしなくてもAll Cutsceneで検索すればどこかにあるはず。
ゲームをやる時間がある人はぜひやってみてね。
ダークなロンドン、ダークなワンダーランド、
非ディズニー式エンディングが待ち受けています。
金髪碧眼でキラキラしてるアリスより、
こっちのアリスの方が良くない?
それじゃ、また次回。
心を奮い立たせる言葉-Believe-


>強く生きるのだ
Nicolです。

朝早すぎる時間に起きてしまったので、
何か書くくせを、という事でここにつらつらと。


5位「思い出すんだ。怒りと静寂の間を。
出典:X-MEN First Class
新トリロジーの1作目。
怒りと絶望で力を得ていたエリック(後のマグニートー)に、
チャールズ(後のプロフェッサーX)が力の使い方を教える為に、
彼の持つ幸せだった時の記憶を呼び起こした際のセリフ。
この言葉で、エリックは巨大なアンテナすら操れるようになる。
尚、この雰囲気をぶち壊すモイラを嫌いな人が多いのも頷ける。


4位「怪物のままでは終わらない。
出典:Spider Man 2
サムライミ版第2作目。
自身が発明したロボットアームに操られていた博士だったが、
ドクターオクトパスではなく、ドクターオクタヴィアスとして、
自分が作り出した惨事を文字通り水際で沈める際のセリフ。
ピーターはこの回でほとんど被害者なので、
MJがもうちょっと可愛ければ・・・という人が多いのも頷ける。


3位「暗い日々が来ても、あなたは1人じゃない。
出典:Amazing Spider Man 2
リブート版スパイダーマンの2作目。
グリーンゴブリンとの戦闘に巻き込まれて命を落とすヒロイン、
グウェン・ステイシーが卒業式の際に残したスピーチの冒頭。
命の価値と、そのあり方について語ったスピーチは
Gwen’s Speachで検索すれば見る事が出来る。
映画冒頭と最後にそれぞれ挿入されるこの長台詞の為に
映画2作目は作られたと言っても過言ではない。
もうちょっと興行成績が良ければ・・・という声が多いのも頷ける。


2位「もう一度君に希望を託したい。
出典:X-MEN Days of Future Past
新トリロジーの2作目にして、旧3部作をまるっと過去にする作品。
ウルヴァリンを通して未来にいるプロフェッサーと
意識の中で邂逅を果たしたチャールズ。
来るべき絶望や痛みを受け入れられないチャールズに、
プロフェッサーは自分が見てきたものを話す。
そして希望がそこにあった事を述べ、自分自身を諭すのだった。
このクォリティーで旧3作目を作ればあんな悪夢には・・・という声が多い。


1位「大いなる力には大いなる責任がある。
出典:Spider Man 3 and Every Spider Verse
全てのスパイダーマン作品を通して語られるテーマ。
普通の高校生だったピーターが力を得てから、
なんの為に戦うのか、何を守る為に存在するのか、
を自らに常に問いかけるシーンなどで登場する。
仔細は作品ごとに違うが、
この台詞自体は叔父であるベン・パーカーが残した言葉である。
ピーターが見逃した強盗犯のせいで命を落とす彼だが、
記憶や追憶の中で度々この事をピーターに語りかけるのだ。
2回目のソニピリブートであるSpider Man:Homecomingで、
このテーマが出てくるかは不明だが、カメオ出演した
Civil War:Captain Americaでは、
スカウトしにきたトニー・スタークに
「もし自分に何か出来るのにそれをせず、
そして悪い事が起こった時、それって自分のせいだよ
という言葉を言っているので、
やはり歴代スパイダーマンはこのテーマを背負って生きていくのだろう。


やるしかないんだ、チャールズ!
それじゃまた次回。
Spoiler Alert!-X-Men:Apocalypse-
Spoiler Alert!-X-Men:Apocalypse-
Spoiler Alert!-X-Men:Apocalypse-
>ネタバレ多数!
Nicolです。

Honestly Trailer.
それじゃ、また次回。
Story Storia History Historia-A roll-
Story Storia History Historia-A roll-
Story Storia History Historia-A roll-
>Who’s side do you on?
Nicolです。

今回は、Marvel Cinematic Universe Phase 3
その集大成であるCivil War : Captain America
についてあらすじなど紹介していきたいと思います!


★あらすじ
地球全土で対テロ、対犯罪者の一環として
治安活動を行う特殊能力者集団「アヴェンジャーズ」
しかしながら、その度重なる活動の中で、
一般人の被害もまた少なくなかった。
ラゴスにおける対テロ活動の中で、
キャプテンアメリカ達は一般市民を巻き添えにする自爆攻撃に巻き込まれる。
メンバーの1人であるスカーレットウィッチの超能力のおかげで
キャップ自身は爆発を免れたものの、
アフリカの小国・ワカンダの渉外特使団がこの爆発を代わりに受け、
世界中でアヴェンジャーズに対する非難の声が高まっていく。

そんな中、国連は”サンダーボルト”ロス将軍を特使として、
アヴェンジャーズに【ソコヴィア協定】を持ちかける。
これは、ニューヨークのチタウリ事件、
L.A.のシールドハイドラ内紛、
ソコヴィアのウルトロン事件、
そしてラゴスのクロスボーン事件を踏まえた、
アヴェンジャーズの行動規定を国連規範に従わせるという内容のものだった。
自らの行動のせいで、
前途ある青年の未来を絶った事を実感しているトニー・スターク、
通称”アイアンマン”は、ロス将軍と共にアヴェンジャーズの説得に当たる。
しかしスティーブ・ロジャースこと”キャプテン・アメリカ”らは、
この協定に反対を表明し、交渉は難航していた。

こうしてアヴェンジャーズ内部で論争と亀裂が起こる中、
国連本部で採択されようとしていた【ソコヴィア協定】宣言の最中に爆発テロが起こる。
協定をまとめようとしていたワカンダの国王、ティ・チャカが犠牲者となり、
その息子であるティ・チャラは犯人への復讐を誓う。
事件の犯人と目されたのは、
かつてキャップの親友だったジェームズ・バッキー・バーンズ。
通称”ウィンター・ソルジャー”だった。
親友を救う為に独断で行動を始めるキャップ達。
それを国連側の指示で止めようとするアイアンマン達。
2つの勢力の激突は次第に混迷を極めていく。

"エージェント13"シャロン・カーターによりもたらされた情報を基に、
特殊部隊よりも先にウィンターソルジャーの確保に向かうキャップ達。
その最中に謎の戦士”ブラック・パンサー”が出現し、
平和裏な逃走は不可能となる。
”ウォーマシン”ジェームズ・ローズ元海軍大佐の出動で
ブラック・パンサーともども逮捕されるキャップ達。
その漆黒の戦士は、ティ・チャラ国王その人だった。
国連で尋問を受けるウィンターソルジャーだったが、
大規模停電が発生。
更に臨床心理士として尋問に当たっていた人物こそ
実はこの事件の黒幕である、ジモ大佐だった事が明らかになる。
ジモ大佐はヒドラの残した洗脳技術でウィンターソルジャーを暴走させ、
その隙に本部から逃走、
キャップ達はウィンターソルジャーを連れて身を隠すことに。

正気を取り戻したウィンターソルジャーによって、
ジモ大佐の目的が、ヒドラの残した更なる5人の兵士である事を
突き止めたキャップ達。
親友の無実を証明する為に、そして更なる被害を防ぐ為に、
キャップは自分に味方してくれるヒーローを集合させる。
目覚めてから常に行動を共にしてきた”ファルコン”ことサム・ウィルソン。
引退していたが近況を聞いて戻ってきた”ホークアイ”ことクリント・バートン。
トニーによって軟禁状態になっていた”スカーレット・ウィッチ”ことワンダ・マキシモフ。
ファルコンと因縁浅からぬ”アントマン”ことスコット・ラング。
そして親友のバッキー。
シベリアにいるであろうジモを追いかける為に、
彼らは空港へと赴く。

それを待ち受けていたトニー陣営は
最強のスパイ”ブラックウィドウ”ことナターシャ・ロマノフ。
ウルトロン事件で誕生した人工科学生命体”ヴィジョン”。
ウォーマシン、ブラックパンサー、そして
”スパイダーマン”ことピーター・パーカーを加えて迎え撃つ。

2大陣営の激突は熾烈を極めたが、
キャップとバッキーは仲間の援護を受けてシベリアに向かう。
一方、戦闘でウォーマシンを失ったトニーも、
対テロ特殊部隊からの情報より、ジモが犯人である事を知る。
友人として、1人の個人として、
トニーは自らの過ちを認め、キャップ達を援護する為にシベリアに向かうが・・・。



●見る前に知っておくべき事
この作品は、今までのディズニーマーベル映画を観ておかないと、
ちょっとピンとこない作品です。
沢山作ってきた映画の集大成、といった娯楽作品なので、
少なくともいずれかのキャラクターの映画を観ておかないと、
ただの痴話喧嘩に見えてしまうかもしれません。(実際そうかもしれない
少なくとも、キャプテンアメリカを1作品、
アイアンマンを1作品、そして2人が出会ったアヴェンジャーズを見ておくと、
この映画の価値はぐっと高まるかも知れませんね。
逆に言えば、それらの映画がヒットしなければつくられなかった映画なので、
キャプテンアメリカトリロジーの完結作品としては成功を収めているようです。

物語の冒頭に登場する”ソコヴィア協定”は、
キャップとトニーが仲違いするきっかけとなりますが、
両者の行動規範はそもそも目的こそ同じであれ、源が別でした。
”敵”という存在を同じくして立ち上がったアヴェンジャーズでしたが、
度重なる敵との戦闘で、
私生活も精神もボロボロになっていくアイアンマンと違い、
キャプテンはアヴェンジャーズでの活動こそ、
自分の信じる仲間達と居られる唯一の方法であり、
自由な選択こそ、自分達の生きる道だと信じていました。
その結果、2人の間には致命的な溝が生まれ、
行動原理の違いからそれはどんどん深まっていきます。
自分達の行動は、一定の監視が必要だと考えるアイアンマン。
自分達の行動は、自分で決断してこそ責任が負えると考えるキャプテンアメリカ。
それぞれの主義主張に共感した仲間達が集い、
想像を超える激突を生み出していくのです。


◆もっとも恐ろしい”敵”
アヴェンジャーズで出てきたソーの弟、ロキ。
エイジオブウルトロンで出てきた機械生命体、ウルトロン。
SHIELDと相反する組織、HYDRA。
かつてアヴェンジャーズに立ち塞がってきた敵は、
皆超人的な力を持っていたり、大規模な組織化されており、
文字通りアヴェンジャーズでなければ太刀打ちできない存在でした。
今回の敵、ジモ大佐は、
本当に普通の人間であり、特殊能力は持っていません。
しかしながら軍で培った高い知性とずば抜けた行動力を持ち合わせ、
それら全てを自分の家族を奪ったアヴェンジャーズへと傾けるその姿勢は、
間違いなくシビルウォーの原因であり、最恐の敵となりました。


!今後の展開!
スパイダーマンが3度目のリブート、
渋い閣下ブラックパンサーの映画化など、
今後もマーベル映画はヒーロー作品を増産していくようです。
劇中でヴィジョンが言っていた通り、
MCUシリーズを通して、存在感を示しつつある”インフィニティ・ストーン”
の謎も少しずつ解き明かされるでしょう。
追いかける身としては、しばらく楽しめそうです。
その分、今後の作品は個別の物語性が強くないとヒットしないかも!?
あと2年は安泰なのだ、という事を踏まえても、
ヒーロー・ロスに世界が陥らないといいですね。

それじゃ、また次回。
Civil War:Captain America-Side C-
Civil War:Captain America-Side C-
Civil War:Captain America-Side C-
>注意!!
今回は多数のネタバレと、筆者ともう1人の独断と偏見が入り混じっています。
心して読むように。


普段と違って今回の作品に関してのみ
物語のあらすじを追った「Aロール」
ちょっとマニアックなオタクネタをちりばめた「Bロール」
そして独断と偏見の塊で出来上がった「Cロール」
の3回に分けてお送りします。
第1回は都合によりCロールからだよ!


5月のある週末。
もう3回も見ちゃった!という事で、
昨日わざわざ厳戒態勢の六本木で無意味に膝を突き合わせた
Marvel映画好きの2名が盛り上がった点をピックアップ!



★キャップとその友人達が微笑ましい
シャロン(エージェント13)とのキスシーン後、友人を見やるキャプテン。
当然ウィルとバッキーはニヤニヤしながらそれを車内から見守ってました。
M「あの瞬間は観客も同じ表情してたよね
A「そうそう!もうね、大好物です!
M「なんだそれ流行ってるのか
A「大好物です!


★「もっと早くやれよ」「お前なんか嫌いだ」
ウィルはキャップの昔からの友人であるバッキーと、
なんとか仲良くなろうとします。
タッグを組んでスパィディと戦うものの、
卓抜した運動能力、筋力、ガジェットに悩まされる事に。
両手を糸で封じられた後に、
小型ドローンのレッドバードでスパイディを建物外部に弾きだした後のセリフがこれ。
A「バッキーの「もっと早くできただろ」は信頼の証しではー?
M「うるさい。お前なんか嫌いだ


◆パプリカシュのラブシーン()
M「ヴィジョンが微笑ましすぎて爆発する
A「Spirit.... lifted.....
M「はよ昇天してくれんかな


●スカンクトニー
A「アランリーが全く隠れてないんだけどそれは
M「あの飛び方ずっと気になってたんだよね、たぶんね
A「必要になったら呼んでくれって、誰かさんみたい
M「ハァァァーーーー?


▲美人過ぎるおばさん
A「これはもう絶対そうでしょ
M「スパイディがR18になるのか
A「ペッパーが消えた理由は絶対これでしょ
M「ペッパーのが好きなんだけど
A「あなたの好みは聞いてないんだけど


◆リザの服装について
M「大好物です!たぶん!
A「真似するな、それと恥を捨てろ
M「ヴィジョン穴のアングルが本当にDisneyOK出たの不思議なんだけど
A「だんだん天下のDも、ワールドワイドオタクの需要をわかってきたんでしょ


■ナタのお母さん具合
M「これ凄くよくわかる
A「日常を映画に投影するな
M「よくわかるんだってマジで
A「言ってろバーカ。所詮物語よ?
M「一秒もそのエゴを止められないの?言葉遣いもっと謹んで?


●ソコヴィア協定へのサイン交渉決裂後、すぐBARFをかけるトニー
M「私もBARF欲しい。傷を癒したい
A「やめてゲロが出るから


★「すっごく昔の映画で、帝国の逆襲ってのがあるんだけど・・・
アントマンがジャイアントマンになった後、
それを倒す解決方法を思いついたトム・ホランドの新スパイディ。
「マジかよ、あの子何歳だ?「わからんが若いのは確かだ!
と軽口をたたきながらも、作戦を理解してタッグアタックするトニーとローディ。
M「すっごく昔の映画でティファニーで朝食をってのがあるんだけど
A「それ以上言ったらフラワーカーペットに叩き込んでやる


画像について
1「狙いすぎなアラサーの姫。2人の姉はフルハウスのミシェル
2「怒りを収めた陛下。I don’t careの発音が今年の金獅子賞もの
3「もう何もかもどうすればいいのかわからないトニー


それじゃ、また次回。
キャプテン・アメリカ3-Civil War-
>Which side do you choose?
Nicolです。

今回は日本での公開も近づいてきた
「キャプテンアメリカ3-シビル・ウォー-」について書きたいと思います。

★あらすじ★
今作はDisney Marvelが放つ「キャプテンアメリカ」シリーズ、
その第3弾として作られた映画です。
大筋の流れとしては、
”ヒーロー規制法”を巡る2大ヒーローとその周りの仲間達の、
葛藤と対立を描く作品となっています。

このシリーズを初めてみる方も、
ずっと見続けている方も、今回に至る経緯を知りたいと思うので、
少しおさらいしてみます。

キャプテンアメリカは、第一次世界大戦時のスーパーソルジャー計画によって、
人為的に生み出された世界で初めてのスーパーヒーローです。
もともとはスティーブ・ロジャースという青年だった彼は、
人一倍強い正義感と思いやり、発想力を持ちながら、
肉体には恵まれず、いつも民兵訓練で最低評価をつけられていました。
その彼の心に目を付けた博士が、彼を超人兵士計画に採用します。
超人血清を撃ちこまれ、肉体を劇的に強化されたスティーブは、
多くの毒に免疫を持ち、零下でも肉体活動を維持できるようになりました。
第一次世界大戦ではアメリカ軍の元でナチス配下の【ヒドラ(ハイドラ)】と戦い、
親友のバッキー・バーンズを戦争の中で亡くしながらも、
統領レッドスカルやコズミックキューブと共に北極へと沈みました。
それから40年以上の時を経て、
かつての恋人、ペギー・カーターも所属していた秘密組織【S.H.I.E.L.D.】
によって冷凍睡眠状態から復活、現代(2000年以降)へと復帰します。

他方で、かつてスティーブとも親交があったハワード・スタークを父親に持つ、
セレブでプレイボーイな男、トニー・スターク。
彼は自由気まま、発明家として科学者として天才の名声を得ると共に、
傲慢で不遜な態度を崩さず、常に自信に満ち溢れた姿で人々に接していました。
しかしある時、テロリストに拉致され、
胸に金属片が刺さった状態で拘束状態に置かれます。
更に、テロリスト達は発明家であるトニーに、
スタークインダストリーの兵器をコピーして品種改良しろと命令してきました。
トニーは持前の機転と才能で、この難局を切り抜けます。
自分の心臓を守る為に自社で開発していた
エネルギーリアクターシステムを使用し、
それを動力にしたアイアンスーツを作ってテロリスト達から逃れました。
無事アメリカ本国に帰還したトニーでしたが、
テロリストに事前情報と武器を流していたのは
なんと自社の副社長であったオバダイアという男であった事が判明します。
共に捕われて亡くなった科学者の為、
自分の高慢が招いた惨事を少しでも食い止める為、
トニーはアイアンマンとなって、全ての自社製品を破壊する事を決めます。
その後、個人としてのアイアンマンを脅威とみなす合衆国に対し、
自分の親友であるローディ大佐が乗る事を条件に
アイアンマンの武装型であるウォーマシンを供与、
一部技術を共有することで彼はスーパーヒーローの仲間入りを果たしました。

このように、
2大ヒーローはその生い立ち、性格がまるで違います。
また2人は"アベンジャーズ"、"アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン"
で共闘しますが、その度に市民を守るスタンスが違い、衝突していました。
その違いは、度重なる敵対勢力との戦闘を経て、次第に大きくなりました。

そして決定的な事態が起こるのが今回です。
具体的には、キャプテンは親友のバッキーがハイドラの元で生きていた事を知ります。
なんとか彼を取り戻したいスティーヴ。
2人には一次大戦時に育んだ熱い友情関係がありました。
一方で、ヒーローを辞めて恋人ペッパーとの生活を選んだはずのトニーも、
新生アベンジャーズが引き起こした事件によって、前線に戻る事を余儀なくされます。
しかし、スティーヴの想いとは裏腹に、
バッキーはハイドラの元で”ウィンター・ソルジャー”となって、
数多くの暗殺事件やテロ事件に関与していました。
更にアベンジャーズが巻き起こした数々の事件では、
少なくない市民が犠牲になっている事で、
世界はキャプテン達の事をスーパーヒーローと捉えると同時に、
はた迷惑な自警団としても見ていました。
ニューヨークでの外宇宙生命体チタウリとの戦闘、
ワシントンD.Cでのアベンジャーズ本部全壊事件、
そして旧ソ連領地ソコヴィアでのウルトロンによる人類抹殺計画など、
それら全ては確かにアベンジャーズ無しでは起こりえなかった事かも知れません。
これらを危惧したサンダーボルト将軍は、
キャプテンやアイアンマンに「スーパーヒーロー登録法」を要請します。
映画ではどんな内容になるかわかりませんが、
予告でキャプテンが言っている通り、
従来通りの活動ではなく、国連やS.H.I.E.L.D.に従う形で動くのが原則のようです。
そしておそらくバッキーはこの法には当てはまらず、
処刑されてしまう可能性すらある、との事です。
戦う相手は自分で選ぶ、信条を貫こうとするキャップと、
世界の平和の為に、法規制の元で生きようとするスターク。
庶民を守り、悪を倒すという信念は同じながらも、
立ち位置の違いから2人はどうしても激突せざるを得ない
状況に巻き込まれていきます。

"Sorry Tony. You know I wouldn’t do this if I had any other choice. But he is my friend."
"So was I."
この言葉の通り、2人はそれぞれの友人の為に、
かつての友人と戦う事になるようです。
その結果は・・・!?劇場で確かめましょう。


★見どころ期待値★

1―沢山のヒーローが出てくるぞ!
今回一番ファンにとって見たいのは、
アベンジャーズ2.5と言っても過言ではないくらい、
この作品にヒーローが出てくる事です。
わかっているだけで
トニー、ウォーマシン、ヴィジョン、ブラックパンサー、
ウィドウ(ナターシャ)、エージェント13(シャロン)、
スティーヴ、ウィンターソルジャー、ホークアイ、
アントマン、スカーレットウィッチ(ワンダ)、
スパイダーマン(!!)、クロスボーン、サンダーボルト将軍と、
ものすごい数のヒーローとヴィラン達が出てきます。
原作はこれの比じゃないんですが、映像でここまで揃えるだけでも凄いですよね。
流れとしてはシリアスな展開が予想される今作品ですが、
アントマンやホークアイといったコメディ担当のヒーローもいますので、
端々で笑える息抜きがある事を期待しています。
今回は出てこれないソーやハルクも、
それぞれ世界を離脱して来るべき戦いに備えています。
彼らが出てくる作品、”ソー3 ラグナロク”も公開予定です。

2―スパイディ!?スパイディじゃないか!!!フォー!!!
と海外のファンが熱狂するぐらい、
アベンジャーズにスパイダーマンが参戦するのは驚きでした。
日本では馴染みがありませんが、
版元であるマーベルは作品ごとに映画の権利を持っていまして、
それを他者に貸与する形で作品化をしています。
過去にパニッシャーやデアデビル、ブレイドやゴーストライダーも映画化されてますね。
講談社と集英社と小学館があるようなものです。
スパイダーマンは現在ソニーピクチャーズがその版権を持っています。
従って、本来ディズニーマーベルの作品にスパイダーマンが出る事は出来ないのですが、
ファン達の、そして大人の事情によって、今回参戦が決定しました。
その過程で身勝手にこの話を進めた代表に反対して
アメイジングスパイダーマンを演じた俳優が降板するとか、
ひと悶着自体はありつつも、古巣への帰還を果たしたスパイディ。
ホームカミングと題した単独次回作も決定しました。

3―この戦いは前哨戦だ。
実はこの作品の後にもPhase3として、幾つかの作品が公開予定です。
ベネディクトカンバーバッチ演じる”ドクターストレンジ”
今作でも登場したチャドウィック・ボーズマンが演じる”ブラックパンサー”
前作が異例のヒットを記録した”ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーVol2”
オルセンのスカーレットウィッチも続投するかも知れない?”ミズ・マーベル”
そしてこの作品達が小出しにしてきた5つのジェムを巡る
”インフィニティ・ウォー”の前後編作品。
まだまだマーベル映画が続きます。
関係者試写会では衝撃的な結末にも関わらず、
絶大な支持を得たという本作。
主題にふさわしい最後を迎えそうですが、
それは映画館で是非自分の目で見てほしいですね!


●こんな人にオススメ●

1、マーベル映画好き
今までの作品をどれか1つでも見てきた人なら、
あ!私の見た事あるヒーローが活躍してる!というスタンスで見れます。
私のお気に入りはアントマンですね。今回も地味な活躍をしてくれそうです。

2、男友達同士で娯楽として
ドーン!バーン!友の為に・・・!
大体細かい事は無視するとこの作品はこうなります。
ラブシーンはありません。むしろムサいシーンもあまりないけど。
従って恋人同士で見に行くと、
目をキラキラさせる男性を冷めた目で見る女性という構図になります。
男達でヒーローを見に行こうな!

3、上司を一発殴りたい人
なんて事言うの・・・!という人もいるかもしれませんが、
トニーが経営者サイド、キャップが被雇用者サイドと考えれば、
おぉ、なんて事だこれは社内の派閥争いじゃないか・・・!
みたいに捉える事も出来ます。
あ、私は別に殴りたくないです。とっても怖いブラックウィドウが居るので。

初めて「アイアンマン」を見てからもう何年経ったのかな?
まさかこんなに自分がアメコミを好きになるとは思いませんでしたが、
沢山のヒーローが出てくる"キャプテンアメリカ3 シビル・ウォー"
楽しみです!
それじゃあ、また次回。
A2-Quicksilver 100 percent-


>Not of this one.
Nicolです。

ゆっくり禁止!
って事で、商談がてらAgr of Ultronを見て来ました!(仕事はどーしt


結構凄かった。
日本で公開されたらまた観に行きたいです。
機内で見たので、
気になった部分を初めて公式声明で確認しました。

ネタバレにならない、今後の話。
Marvel Cinematic Universeでは、
次回作以降の作品(公開・制作決定済み)は以下の通り。
・Antman
・Fantastic Four
・Captain America:Civil War
・Guardian of the Galaxy 2
・Black Panther
・Dr.Strange
・Avengers:Infinite War
特に話題になっているのが、
スパイディことスパイダーマンがアヴェンジャーズ関連作品に出演する、という話。
制作サイドの話では、
キャップのシビルウォー編に出るとの事。
原作では、この話の主軸の1つに深く関わっているので、
ヤングアヴェンジャーズ含めて期待ですね。
公式の映画計画をPhase4まで見てたんですが、
これアイアンマンどこまで出るんだろう。
Marvelはどんどん物語が暗くなるっぽくて、
トニーのユーモアが失われていかないか気になりますね。

話を戻しますと、今回のアヴェンジャーズで
Phase2と題された期間が終わり、
次の映画からPhase3だそうです。
新ヒーローが最低3人追加され、ヒーロー達も賑わうそうで。
毎回アヴェンジャーズがPhaseの終わりと始まりを告げる作品になるんですね。
つまり間の作品を見て置く事でより楽しめる事が出来そうです。

そこで観る前に!おさらいしてみました。
~アヴェンジャーズ1から2までの流れ~
アイアンマンが無敵でない事が証明される
トニー・スターク(アイアンマン)は宇宙からの敵には協力が不可欠だと認識する
ペッパー・ポッツが無敵人間になる
トニーのおもちゃ(アイアンマンの過去作)が発破される
サイドキック:ウォーマシン再登場
ノヴァの登場が示唆される

スティーブ・ロジャース(キャプテン)はSHIELDS内部にヒドラが居る事を知る
ヒドラの根は深く、シールズとヒドラの内戦が起こる
サイドキック:ファルコンが登場
サイドキック・ヴィラン:ウィンターソルジャーが登場
長官ニック・フューリーがシールズを退官
副官マリア・ロスがスターク社に入社
サードムービーでヒドラが双子とロキの杖を保有している事が描写される

ソー、アスガルドでダークエルフと戦う
パワーストーンの1つであるダークエーテルがコレクターの元に渡る
ソー、ジェーンと過ごす為にしばし地球に留まる

ガーディアンズ、結成される
ローナン議長やロキを裏で操っていたサノスがやっと10秒以上スクリーンに
サノスの狙いがパワーストーンである事が明かされる
アヴェンジャーズで出た:テゼレクト
同上:ロキの杖(マインドストーン
ソー、ダークワールドで出た:ダークエーテル
ガーディアンズで出た:インフィニティ・ジェム


最後にネタバレだ!
スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドウの中の人)すごくいい。
また次回。
ホビット 決戦のゆくえ-映画レビュー-


>さよなら、ホビット。
Nicolです。

劇場で「ホビット 決戦のゆくえ」を見てきたので感想を少し。
私ごとではありますが、
今は昔、自分は小学生の頃に原作である
「ホビットの冒険」の上下巻を読みました。
それから長い年月を経て、
あの物語が実写化され、結末を迎えるのを見るのは、
生まれてもいない息子が成人式を迎えるような感覚でした。
(皆さんご存知ですが、私はまだ独身です)

さて、そんなホビットですが、この話はどんな話?
という方の為にかいつまんで話しますと、
原作はJ・R・R・トールキンという方が書いた
「ホビット ゆきてかえりし物語」です。
トールキンが子供たちに聞かせるために作った、
叙述詩のような神話のような、壮大な物語が、
CGと名優達の演技によってスクリーンで描かれています。
同じく彼原作の「指輪物語」も同じ監督で映画化されています。
あらすじとしましては、
ある日、魔法使いガンダルフの訪問を受けた
小さなホビット族であるビルボ・バギンズが、
竜によって故郷を奪われた13人のドワーフ達と共に、
その故郷であるはなれ山を目指して冒険する話です。


☆見所

まずシリーズを通して描かれる壮大な風景。
全編を通してフィンランドの自然と、
人が描いた(!)背景、そしてCG処理により、
この世に存在はしないけれども、雄大な自然を見ることができます。

次に物語と台詞。
ホビットの冒険シリーズには、
見る人の心を打つ言葉が少なからずあります。
そのほとんどは主人公である
ビルボ・バギンズ君その人の台詞です。
彼は小さく、弱く、臆病ですが、
時として考えられないほど大胆で、
そして厳しい決断をいくつも迫られます。
冒険に出た当初は
「ハンカチが無い!」だの
「早く家に帰って暖かい毛布で眠りたい」
だのとぬかしていた人物が、
厳しい困難に直面したり、
悲しい境遇に置かれたドワーフ達との交友を通じて、
次第に成長していく姿が、
見る人の共感を呼ぶからではないでしょうか。

そして前後作品との繋がり。
ホビットの冒険を見る人は、
ほとんどが指輪物語も見ていると思いますが、
その指輪物語との繋がりが今作では多く描かれます。
森のエルフ王子たるレゴラスが、
なぜ人の王になるべき人物のアラゴルンを知っていたのか。
ビルボはなぜ、ホビット不信になり偏屈化したのか。
白の賢者サルマンと冥王サウロンの繋がりはどこだったのか。
指輪物語初見時に沸き起こった疑問を一手に引き受け、
鑑賞後にほとんど違和感が残らない作品となっていました。


☆人物と役者について

前後との繋がりを意識して、というのもありますが、
今回も各キャラクターが際立っております。
私がいつも圧倒されるのは、
エルフの女王、光の淑女ことガラドリエル。
彼女は永遠の命を持つ存在ながら、
全作品で際立った存在感を示します。
演じたケイト・ブランシェットの顔立ちからか、
美しさと怖さが同居しているガラドリエルは、
時に優しく、そして時に恐ろしい側面を劇中で顕わにします。
今作では復活間際のサウロンを撃退し、
9人の幽鬼すら封殺する力を発揮します。

そしてガンダルフを演じきったイアン・マッケラン。
彼は近年のX-MENシリーズでマグニートーを演じているので、
世界的に有名なSFおじいちゃんになりました。
その深い皺に刻まれた疲労感だけでも、
物語の過酷さが伝わってくるようで、
本当に長い間お疲れ様でした、と言いたくなりました。
同じく白の賢者であったサルマンを演じた、
クリストファー・リーも、
スターウォーズサーガでドゥークー伯爵を演じてますね。
この作品はかっこいい長身のおじいちゃんが出てくるので、
ファンにはたまらないと思います。たぶん。
今作の時点ではサルマンはまだ善玉で、
マトリックスで「エージェント・スミス」を演じた
ヒューゴ・ウィーヴィング扮するエルロンド卿や
前述のガラドリエル様と一緒に「中つ国の守護者」として、
死霊術士(サウロン)と戦います。
「サウロンは私に任せよ」なんて去り際に言っちゃうわけですが、
これがどんな結果を招くかは指輪物語を見た方はご存知ですね。

そしてビルボ・バギンズを演じたマーティン・フリーマン。
困った表情しか出来ないあのイライジャウッドとは雲泥の差
まさしく主人公でした。
不安に迷う表情や、
竜の残した遺産に心奪われたトーリンを恐れる様子、
人とエルフとドワーフの架け橋になるべく、走り回るときの必死さ。
どれをとっても素晴らしい役者であり、
細かい演技が出来る彼だからこそビルボ・バギンズという人物が、
見る人にわかりやすく伝わったのだと感じました。

トーリン・オーケンシールド(演:リチャード=アーミティジ)は、
今作でまさに贖罪するキャラクターです。
はなれ山につくまではあんなにも頼もしかったのに、
宝を手にした途端、祖父と同じ業突く張りに変貌してしまいました。
彼に元通りになってほしいと願うビルボの行動に、
激昂すらして絶縁宣言もしてしまいますが、
今わの際にビルボとの仲を取り戻します。
原作では、エルフと湖の町の人に
「あなたこそまことの山の下の王だ。」
と評されるに至るのですが、
今作はある変更点の為に死に様が違いましたね。
なお、リチャードさんは出演する作品での
方向性が似通っている気がします。
以前見た「SPOOKS」という英ドラマでも、
最初は謎めいた善玉として出てきたけれど、最後は、という役柄でした。



☆全体の流れ

原作に沿った映像を作ってきたピーター監督でしたが、
ホビットの冒険には、当初から映画オリジナルの要素が含まれていました。
それは前後2部作ではなく、指輪と同じ3部作にしたこと。
これにより、物語の厚みを増すために人物が増えてしまいました。
結果、本編の映像は大体が原作に忠実ですが、
人物の結末やそこに至る過程が追加人物によりかき乱されています。
その要素がエルフの女性、タウリエルです。
森のエルフ王の部下だった彼女は、エルフ階級では下の方に位置していましたが、
ドワーフ一行が闇の森で捕らえられた際、
比較的若いドワーフだったキーリと惹かれ合います。
その結果はああなってしまったわけですが、
これは原作に沿った流れなので余計な人物だった彼女も、
後の指輪に出てこない布石として綺麗に収まりがついたように感じます。
なお、原作では、
城門から飛び出したドワーフ13名のうち、
キーリとフィーリはトーリンを守る為に左右で討ち死に、
トーリンは幕屋で息を引き取る直前に、ビルボに詫びる、
というシーンが描かれていますが、
映画ではここが
不浄の王アゾグとトーリンの因縁、
キーリとタウリエルの別離、
レゴラスのイケメン!シーンの作成、
の諸事情で違った結末を迎えました。



☆ツッコミ

1:スマウグ退治

というわけで全面的にはホビット大好きなんですが、
ツッコむべきところはツッコミたいと思います。
まず冒頭。
ドワーフに追い立てられてブチキレちゃった竜のスマウグさんは、
(演じるのはベネディクト・カンバーバッジ)
彼らを遣わしたと思われる湖の町の人々を焼き尽くしに飛んできます。
そこで町の漁師であり英雄の末裔であるバルドは、
一人襲い来る竜に反撃するのですが、
いくつも疑問が浮かんできます。
まず、なんで一人?
原作では「町中にも勇気を持って竜に立ち向かう人々」というのが描かれていて、
少なくともバルド一人ぼっちじゃありませんでした。
そもそも見張り櫓からたった一人だけ弓矢を撃っていたら、
竜に狙ってくれ、と言ってるようなもんです。
その攻撃に対して反応したスマウグさんも
「お前を知っているぞ」なんて妙なことを言います。
竜の観察力の鋭さを示すのはわかりますが、
バルドの英雄性を上げるために言ったような感じがして、
はっきり言って陳腐でした。
複数名の人間達が反撃する中で、バルドが仕留めた、
というシーンにした方がしっくり来ますね。
もちろん理由は彼が英雄の末裔であり、
以前竜に傷をつけた黒い矢の継ぎ手だったから、
ということで収まりますし。


2:レゴラス

オーランド・ブルーム扮する森のエルフ王子、レゴラス。
彼は指輪物語随一のイケメンですが、
今回は主軸の人物ではないので端役、
だと思ったら大間違いでした。
ラストハイライトのオーク達との戦いでは、
敵ボスの一人を引き受けてトーリンとクロスオーバーしながら、
華麗なアクションを披露します。
戦いの後、彼は父親に反発してエルフを抜けようとするのですが、
父親から「母はお前を愛していた」だの
「アラソルンの息子に会いに行け」だの、
指輪物語に必要な人物としての要素をつけられて旅立ちます。
傲慢で凝り固まったエルフ王から、
なぜ柔軟でドワーフと友達になれるエルフが生まれたのか、
という部分がおかげで物語2作品を通して見る事が出来ますが、
逆に彼がどうやってエルフに復帰して
指輪をどうするかの会議に出席できたのかが気になりましたね。
こんだけ毎回アクションシーンが華麗なのだから、
いっそのことレゴラスだけでスピンオフするのはどうでしょうか。←



3:ゴブリンズ

作中では不浄の王であるオークのアゾグに率いられていますが、
そもそも彼らがドワーフ、エルフ、人を襲った最大の理由は、
はなれ山の財宝を目指していたトーリン一行を
ゴブリン王が捕らえたため。
その際トーリンに返り討ちにされた王の敵討ちと、
竜亡き後の山の財宝を横取りする為でした。
なのに、いくら冥王サウロンの手先とはいえ、
アゾグごときの指揮を聞いて陣形を整えるなんてこと出来るんでしょうか?
下手なエルフよりもまともな隊列で地中から蟻のごとく
大発生する様を見て?マークが出ました。
あれ、ゴブリンって、もっと適当な種族だったよね、と。


4:やっぱり帰りは一瞬

原作でもそうでしたが、「かえりし」のパートはすんごく端折られています。
ガンダルフが指輪の存在と、
その扱いについてビルボに示唆するだけ。
熊人間ビヨルンがまた見れると思っていた私は拍子抜けでした。
まぁ、私達が実際に旅に出てもそんなもんですね。
空港や現地で盗難にあわない限り、
往々にして帰りは行きよりもつまらないものです。
でもせっかく3部作の最後であり、
指輪物語から続いてきたトールキンワールドの終わりなのだから、
もう少し何かこう、
帰りの風景をエンドロールにするみたいな取り組みがあっても
よかったのではと思いました。


☆そんなわけで

まだ1度しか見ていないのですが、
次見る時はもうちょっとゆとりのある時に見ようと思います。
そしたらレビューも書き直したいかな。
今だって現実逃避にこの記事を書いてますからね。
やばいね。

発売日FNMに出れないのでは。
それじゃ、また次回。
新たなる敵、新たなる目的-Phase 2 Final-
新たなる敵、新たなる目的-Phase 2 Final-
新たなる敵、新たなる目的-Phase 2 Final-
>私は自由だ。
Ni, ....Nicol is here.


はい、というわけでね、
今回は来る年に公開される映画
「Avengers2:Age of Ultron」について、
映画を見る前にまとめとくべき事を書きたいと思います。

そもそもアヴェンジャーズって何?という方へ。
この映画はMarvelが連続制作している、
アメコミの映画の総集編です。
ロバートダウニーJr扮する「アイアンマン」
のヒットを受けて発進し、連続作品としては
「キャプテン・アメリカ」
「マイティ・ソー」
「インクレディブル・ハルク」
などが名を連ねています。
他の映画と決定的に違うのは、
主人公の違う各作品にエピソードが散りばめられており、
それらが総集編である「アヴェンジャーズ」へと繋がっていく所です。
仮面ライダー大集合などの作品が日本にもありますが、
アヴェンジャーズはそもそも
その大集合に向けて、各作品が作られているのです。

コミックス原作サイドであるMarvelは、
この映画製作の集合体を、いくつかのフェイズに分けました。
フェイズ1の作品は
前述した4作品に加え、「アイアンマン2」があり、
まとめとしてアヴェンジャーズに繋がります。
ではPhase2は?そして3は?
実はこの作品はまだまだ続きます。
ハリウッドで有名な俳優、
ジョニーデップ(代表作:スリーピーホロウ、パイレーツオブカリビアン)や
ベネディクトカンバーバッチ(代表作:シャーロック、ホビット3部作)
がヒーローとして登場する予定です。

Phase2の締めくくりが「アヴェンジャーズ2」であるという事は
先に申し述べておきますが、
他の作品で何が起こって来たのか?
という事をこれから書きたいと思います。

フェイズ2に相当するこれらの作品としては
「アイアンマン3」
「マイティソー:ダークワールド」
「キャプテンアメリカ:ウィンターソルジャー」
「ガーディアンズオブギャラクシー」
が時系列順に作製されました。


「アイアンマン3」では、
アヴェンジャーズ後のアイアンマン、トニー・スタークの様子を描きます。
トニーは自信家で天才でしたが、
1人では対処しきれなかった強大な敵(外宇宙の生命体)と
初めて向き合った彼は不安を抱え、
趣味のアイアンスーツ造りも加速していきます。
そんな折、紆余曲折を経て自身の彼女、ペッパーが
あらゆるダメージから再生できる
「新人類」となってしまいますが、
トニーは自分の作ってきたアイアンスーツを捨てる事と引き換えに、
ぎくしゃくしていた彼女との関係を修復し、次なる戦いに備えます。
この戦いで、アイアンマンは、
物事が起きる理由、
相手の立場に立って物事を考える思考、思いやりを身に付けます。
もちろん、新しいタイプのスーツ開発も行いました。
★トニーは友人であるブルース・バナー博士(ハルク)に、
このあらましを語っているのですが、
バナー博士は飽きたので寝てました。
個人にとっては大事な事でも、
他人にとってはどうでもいい事って、結構ありますよね。
私は相談された時に寝た事はありませんが(-ω-)Zzz


「マイティ・ソー DW」では、
ソーの彼女、ジェーンが今度は未知の物質を体内に取り込んでしまいます。
その事がきっかけで、彼女は再び神々の住む領域、
アスガルドへソーと共に飛ぶ事になりますが、
未知の物質「ダークエーテル」を追ってきた
古代種の「ダークエルフ」達により、アスガルドは崩壊の危機を迎えます。
(おまけにソーの父親はてんで駄目な奴で事態をややこしくします)
ダークエルフの襲撃で母親を失ったソーは、
前作アヴェンジャーズでアウターリムの敵であるサノスに唆された
弟、ロキを監獄から連れ出し、
ダークエルフの殲滅に向かいます。
この戦いで、ソーは
父親の反対を振り切って地球へ向かい、ジェーンと暮らす事になります。
また死んだふりをしていたロキは、
アスガルドで自由に活動しているようです。
人気のあるキャラクターなのでまた再登場する事でしょう。
★戦いで手に入れた「ダークエーテル」でしたが、
アスガルドに保管するのは危険と考えた4戦士達は、
これをタリニーア・ティバンという人物に預けます。
彼はコズミックビーイング(全宇宙的存在)級の力を持つ人物で、
あらゆるものを未来へと残す為に保管しているコレクターです。
そして「1つが落ち、5つが来る」と謎めいたセリフを言います。
前作アヴェンジャーズでロキが利用していた
テゼレクトこと四次元キューブがアスガルドにある為に、
強力な秘宝がいくつもアスガルドに集結するのを恐れた
4戦士達は、安全な保管場所として彼にこれを預けたのです。
この際、保管品の1つに、
ある女性が入れられていました。


「キャプテンアメリカ:WS」では、
前々作の「キャプテンアメリカ:ファーストアヴェンジャー」で、
行方知れずになっていたバッキーが、
あろうことか敵として登場します。
また、アヴェンジャーズをサポートする組織、
S.H.I.E.L.D.S.に、敵対組織のヒドラが多数潜伏しており、
その根は上層部の深くまで潜り込んでいた事が判明します。
仲間だと思っていた部隊から襲撃を受け、
エージェントのブラックウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)、
長官のニック・フューリーと共に、
キャップは反撃を試みます。
この戦いでキャップはヒドラを撃退し、
シールドが完全な組織でない事、
外宇宙からの敵だけでなく、
人類と戦う事もこの先あり得る事を実感します。
また、記憶を失っていたバッキーは戦闘後再び行方不明になった後
アメリカ国内にあるキャプテンアメリカ記念館を訪れており、
そこで自身が何者であったのかを知る事になります。
ヒドラとの戦いの過程で新しい相棒も出来たキャップは、
次なる敵に備えて鍛錬を続けていきます。
★ヒドラは表面上撃退されましたが、
コインの表裏の如く、まだまだ活動を続けています。
倒されたエージェントは、また敵として復活するでしょう。
そして彼らは、この先の戦いで重要な役割を果たす、
双子の姉弟を捕まえていました。


「ガーディアンズオブギャラクシー」は
これまでの3作品とは異色の作品です。
前3作は既出のヒーロー達の、「地球」及びアスガルドの物語でしたが、
この話はタイトル通り、銀河、
つまり外宇宙の話がメインの舞台となります。
この映画についてはまた機会があれば書きたいので
話をアベンジャーズ関連だけに絞りますが、
この映画ではアヴェンジャーズでロキを唆し、
チタウリの軍勢を地球に差し向けた「サノス」が登場します。
彼は銀河全体に悪評を轟かせる大敵で、
ガーディアンズもいずれまた彼と対決するかも知れません。
この作品での重要なポイントは、
彼らが手に入れた「インフィニティ・ストーン」
という強力な秘宝をコレクターに売ろうとしたところ、
助手のカリーナがコレクターからの支配より逃れる為にこれを手にし、
その際の爆発でコレクション達が吹き飛びます。
つまり、コレクションの中で、意識を持っている者(物)が、
あらかた散らばってしまった可能性があるという事です。
そうですね、ソーの時に預けたエーテルも何処かへ行った可能性があります。
サノスは、このインフィニティストーンを
どうにかして手に入れようとしていました。
アヴェンジャーズの時、ロキを地球にやって
テゼレクトを回収しようとしたのもこれが狙いです。
インフィニティストーンやテゼレクト、エーテルを含む6つの秘宝を集めると、
彼の持つ籠手が強力な破壊兵器となるからです。
★主人公の1人、スターロードは、
母親は地球人でしたが、父親はどうやら古代種であろう事が、
ザンダー人の総督から告げられます。
だからこそ、インフィニティストーンの力に耐える事が出来たと。
この生い立ちの秘密こそ、彼の力、
そしてこれから先起こる物語に深く結びついていくのでしょう。
制作サイドは、
「外宇宙(コズミック)サイドと地球サイドが交わることもどこかであるだろうし、
それぞれ独立させて進行させていく事もあるだろう。
とにかく期待していてくれ」
と言っていたので、
今後コズミックサイドで描かれるだろう
「ファンタスティック・フォー」の新作などはこちらに当たる可能性があります。


【アヴェンジャーズ2】
さぁ、やっと本題です。
まだ全貌は明らかになっていませんが、
今まで活躍してきたヒーロー達が、再び結集します。
1つだけはっきりしている事があります。
それは、今回の敵が副題にもなっている通り、
「ウルトロン」という機械である事です。
ウルトロンは原作だと天才博士「アントマン」が作製したロボットでしたが、
今作で誰が直接開発したかはまだ明らかになっていません。
恐らくヒドラか、トニーが作製したロボットという設定であるはずです。
ウルトロンは地球にとって何が一番いいのか、
という事を検討した結果、
「人類こそ絶滅すべき存在」だと断定して、
全人類への攻撃を始めます。
最強のロボットである彼らに、アヴェンジャーズはどう立ち向かうのでしょうか。
そして更にWSでヒドラに囚われていた双子、
「クイックシルバー」と「スカーレットウィッチ」が
登場します。
彼らはコミックスだとアヴェンジャーサイドですが、
ティーザームービーを見る限り
今作品の最初の時点では、ウルトロン、
もしくはヒドラサイドとして活動している可能性が高いです。
この2人については、名前こそ同じですが、
配給会社や制作側の都合で、
X-Menに登場する2人とは役柄も設定も違いますので注意。
なによりアヴェンジャーズは本来、ミュータントである
ウルヴァリンやビースト、ストームなどが加入していたので、
その事からもこのアヴェンジャーズプロジェクトが、
映画ならではの物語になるのは必然です。
能力だけはほぼ同じで、
クイックシルバーは名の通り高速移動が出来、
スカーレットウィッチは端的に言うと超能力が使えます。
また、ウルトロンが作り上げたアンドロイド「ヴィジョン」も出てきます。
彼は後にスカーレットと恋仲に落ちるほど、
優しい心を持った機械で、結果ウルトロンを裏切って、
アヴェンジャーズ側につくことになります。
★制作側は、今作でフェイズ2が終わり、
次の作品群、
キャプテンアメリカ3、アイアンマン4、
ファンタスティック・フォー、アントマン、
Dr.ストレンジ、ブラックパンサーに取り掛かるとしています。
この作品群がどこまで続くのか
(そしてどこまで人気を保てるのか)
その事はわかりませんが、
トニー・スタークを演じる
ロバート・ダウニー・Jrがアヴェンジャーズの顔でもあるので、
彼が降りたら作品を終結させる方がいいんじゃないかな、
と個人的には思っています。
いい物語だからこそね。
今作は全体的にメイン作品を持たない
ブラックウィドウやホークアイのシーンが増えるそうです。



―余談余白

TVシリーズのドラマ「SHIELDS」も、
これら作品の裏背景に触れる作品となっています。
アヴェンジャーズで死んだはずのあの人、
そう、あの人が主役らしいですよ。
誰とは言わないけど、アイアンマンシリーズが好きな人は、
見ておくといいかも知れません。
ソーの4戦士の1人、シフや、
他のスーパーヒーローも出てくるようです。


長くなっちゃったけど、ほんとに期待大!
またアヴェンジャーズが見れる!
See U Again.
決戦のゆくえ-There and Back Again-
決戦のゆくえ-There and Back Again-
決戦のゆくえ-There and Back Again-
>本当に大切なものは、目には見えないものなんだよ。
Nicolです。

五軍の決戦を予期していたガンダルフ。
自らが得た宝物に執着したトーリン。
その宝物を得ようとしたエルフ王。
さらにスマウグ(竜)を倒し、傷ついた民の為に財宝を必要としたバルド。
竜の死を知り、ドワーフごと屠ろうとする冥府の将軍、アゾグ。
そして、小さなホビット、ビルボ=バギンズ君が望んだものは。

ホビット-決戦の行方-(原題:五軍の戦い)は、
竜の残された「遺産」を巡っておこる
人とエルフとドワーフとオークとボルグの戦いを描きます。

竜が人に倒されたことで、
財宝を独り占めする機会を得たドワーフ一行。
一方で、湖の人々はドワーフ達のせいで竜がやってきた上に、
多大な犠牲を払ってそれを倒すことに成功したのに、
山の下の王となったトーリンが財宝を独り占めすることに納得がいきません。
そして王となったトーリン=オーケンシールドは、
次第に祖父が取り付かれた無限の富、財宝の魔力に蝕まれていきます。

エルフ王はかつて自分達が上納した品も竜の財宝にあるのは承知でしたし、
トーリンを山の下の王と認めるのは不服でした。
なにより彼らは自分達の領地を不当に通過したならず者でもあります。

その頃、ガンダルフは闇の勢力の復活を目の当たりにし、
竜の死が更なる戦いの幕開けになる事を予期していました。
1つが去りて、5つが来たる。
ガンダルフの読みどおり、
トーリン一行が倒したゴブリンの王の配下は、
思った以上に怒り狂っており、
竜の脅威がない以上、少人数のドワーフに目にもの見せると息巻いていました。
アゾグは、トーリンに復讐を果たす為にも、
冥府の王、サウロンの指示の元、極めて速い行軍で、
もう山の近くへと迫っていました。

トーリンは財宝を得たがために、
血族のドワーフ、くろがね山のダインに援軍を求めます。
いずれ人間やエルフが財宝を求めてくると知っていたからです。

かくしてそれぞれの思惑で五軍が集結しつつありました。
しかしビルボは、そんなことになるとは思っていませんでした。
彼は自分達の財宝探しの旅で、
こんなに人死が出ると思っていなかったのです。
探索と究明の先には、輝かしい終わりが待っていると、
そう思っていたのです。
実際には違いました。
自分達が竜を怒らせたせいで、湖の町は壊滅しました。
多くの命が奪われたことに、良心の呵責が残りました。
ドワーフ達にしてみれば、山の都市”エレボール”は、
故郷であり取り戻すべき場所でしたが、
それでも、ビルボは自分が何か湖の人々にしてやれないかと考えました。
それに、エルフと人間と向き合うのも真っ平ごめんでした。
エルフには、彼らは知りませんが、
ドワーフ達が捕まっている間にワインやパンを拝借しましたし、
別にビルボはエルフが嫌いなわけではありませんでした。
とりわけ、エルフの女王の美しさには今まで感じたことのない感情すら抱きました。
湖の人達も、トーリン達が伝承に伝えられた
山の下の王の末裔である事を知ると快く迎えてくれました。
ビルボは、あることを思いつきます。

それは、トーリンが心から欲していた、
完全なる宝石、山の精髄、アーケンストーン。
それをバルドとエルフ王に上げることでした。
―私は14分の1の分け前を貰う取り決めだった。それくらいしても構わないだろう。―
ビルボは、自分が貰う分の財産を全て投げ出して、
そして争いが終わることを望みました。

しかし、そうはなりませんでした。
アーケンストーンをエルフと人間側が持っていることを知った
トーリンは怒り狂います。
ビルボに罵声を浴びせ、彼との関係を断絶します。
哀れなホビットが追い出された直後、戦いの火蓋が切られます。
それは人とエルフとドワーフの間に、ではなく。
暗雲と共に、地の底から闇の軍勢が現れました。

くろがね山のダインと人間、エルフ軍はゴブリンとボルグ達に包囲されていました。
個別の能力や装備はエルフやドワーフの方が上でしたが、
ゴブリンには圧倒的な物量がありました。
次第に3軍は押されていきます。
そのとき、固く閉じられていたはなれ山の城門が開き、
13人のドワーフが突撃してきました。
みんな、トーリン達がいることを忘れていたのです。
彼らは鬨の声をあげ、ボルグやアゾグの軍に襲い掛かりました。
アゾグは、トーリンにとって、互いに宿敵なのでした。
数こそ少なかったものの、ドワーフ達の士気は高く、闇の軍勢は怯みました。
この勢いを借りて、各地の軍も体勢を立て直しました。
それでもアゾグの軍は強く、立ちはだかる種族の軍を蹴散らしていきます。
もうだめだ、とビルボが思ったその時。
遠い空に、大きな翼が見えました。
「鷲だ!鷲が来たぞ!」
ビルボはあらん限りの声で叫びました。
怒号と喊声の飛び交う戦場の中では、誰にも聞こえないくらいに小さな声でしたが。
その時、ビルボは頭に流れ弾である投石の一撃を食らって気を失いました。
もっとも、彼は指輪を嵌めた結果、透明になって誰にも気づかれなかったのです。



ガンダルフはかつてビルボに言いました。
”本当の勇気とは、相手を倒すことではなく、
仲間を助ける時なのだ。”
この老魔術師は、ホビット達のもつ可能性について知っていました。
白の魔法使い、サルマンほど高慢ではなく、尊大ではなく、
エルフに恋心を抱いたり、ドワーフに文句を言ったりと、
どちらかというと人間らしい部分を持った彼は、
小さな人達が持つ、大切なものの力を知っていました。

後に、指輪を滅ぼす旅に出たホビット、フロドに同行した
庭師のサムワイズ=ギャムジーはこう言います。
「僕らはそれでも戦うんです。
なにか、良いものの為に。
僕らが大切にしてきたものを守る為に。
子供達が笑ってくらしたり、食べて飲んで笑える日々を過ごす為に。」
破滅が予見され、暗黒が迫りくる中での出来事でした。

ホビットが持っていた小さな勇気は、
勇猛な戦士である人間達や、優れた見識を持つエルフをも驚嘆させます。
彼らは時に、その身体に似つかわしくない、大きな勇気を見せたのです。

宝石でもなく、黄金でもなく。
ビルボが旅の果てに得たのは、本当に得たかったものは、
旅の前には彼が思いもしなかったものだったのです。
勇気と優しさを持ったビルボは、
また、一つの指輪を手に入れましたが、
指輪に囚われた哀れなクリーチャー、ゴラムを助けました。
本当は彼を殺す事も出来ましたが、ビルボはそれをしませんでした。

その事が良い事だったのかどうか。
それはホビットではなく、指輪の三部作で明らかにされています。
かつては川の民だったスメアゴルが、どのように指輪に侵され、
ゴラムへと変貌したのか。
そして指輪にどのように関わるのか。
気になる方は指輪物語三部作もご覧ください。

物語の結果は、是非劇場で。
また次回。

009 RE:CYBORG-009-

2014年8月14日 映画
009 RE:CYBORG-009-


「終わらせなければ、始まらない」


まるで人生における諫言のような標語ですね!
という印象だった009。

そうです、今回も映画レビューならぬ映画感想です。
Nicolは週末以外マジックしません。


―あらすじ
サイボーグ達がなんやかんやで地球を救う。

今回の009は、
かつて石ノ森章太郎が作った幻の最終回を、
攻殻機動隊SACアニメシリーズで有名な
神山監督が練り直したもの。

世界中で「彼の声」なる声を聞いた人間が、
次々と自爆テロを起こす中、
かつて00(ゼロゼロ)シリーズとして戦っていた
サイボーグ達は、
この未曾有の危機に立ち向かう、というストーリー。

リメイクなのはいいんですが、
個人的に結構残念だった点が多かった作品でした。
それでは気になった点を挙げていきます。


☆1、グレート・ブリテンとピュンマの活躍がほぼゼロ

ピュンマさんは特殊能力が「深海活動」なので、
漫画やアニメでも機転の良さや勘の鋭さの部分が取り上げられていましたが、
神山監督はなんと、彼の能力を一度も描く事なく、
フェイズアウトさせてしまいました。
冒頭出て来た後はエンディングまで出番無し。
ヒドスギル・・・。
ブリテンは002のジェットとそれっぽい会話をしたり、
追いかけてきた諜報員を得意の変身能力で巻いたりと、
結構出番自体はあったのですが、
その後ゴミ収集車に轢かれてフェイズアウト。
他の人達が軒並み戦闘スキルが高いとはいえ、
この2人のアッサリ退場扱いがとても残念でした。
「サイボーグ」としての彼らを描く為に、
派手な絵が必要だったとはいえ、対比として存在してもいいのに。
ピュンマさんが不憫でした。


☆2、フランソワーズが無駄にエロい

色気は必要です。
でもそっちじゃない感。
島村ジョーが幻影少女とエロい事したら流石に見るのを止めるぞ!
と憤りそうなくらい必要のないエロでした。
どこに媚びたんだろう、ハリウッドかな?
師匠の押井監督は攻殻で
素子の全裸を出したので、それにあやかったのかな。


☆3、微妙なデフォルメ

ジェットは鼻が長い所が良かったし、
チャンチャンコは目がヘソみたいなのが良かったし、
ブリテンは三枚目なのが良かったのに、
ただのイケメンとよくわからんキャラとハゲイケメンになっていました。
差別化が均一化によって無くなり、
「誰だコイツ」
と思える部分が多々ありました。
ジェットがジョーにジェラシーを抱く理由。
それが上手く伝わってきません。
あのでかっぱなスナフキンみたいな雰囲気が良かったのに。


☆4、既視感

サイボーグ達を「無用の長物」化しようとする、
アメリカの下部組織やドイツの軍隊など、
人間がサイボーグに抱く嫌悪感と軋轢を描こうとしていたんでしょうが、
その表現方法が端的にいうと下手でした。
物語中終盤、米軍はジェットをテロの実行犯に仕立て上げ、
内部から排除しようとしますが、
普通に彼が人間だったとしても、その展開は違和感しかありません。
なぜなら理由が無いからです。
長い間自国の組織で働かせてきた
「ヒトのようなもの」扱いのジェットを斬り捨てたとしても、
それでアメリカが内外から批判を受けないわけではなく、
むしろ制御出来ていなかった状況を更に訴追されるだけです。

人間の無力さを描くにしても、やっぱりおかしいですね。
そもそも009は「ヒト」が持つ可能性の部分を、
ブラックゴーストが捻じ曲げてしまった所に端を発しているのに、
神山009ではそもそもヒトは愚かで神にコントロールされているのよー、
みたいな主張ばかりが目につきます。
テロの実態をわかってないのにテロや戦争を組み込んだ結果でしょうか。
原作の方でも、ピュンマの地元での内戦エピソードがありますが、
あちらは規模が一地域の問題に限定されているので、
違和感を抱かせない題材だったのだと思います。
とはいえ、セカイ系の話に矛盾が生じるのは多々ある話ですね。


☆5、それでも00シリーズはカッコイイ

ブラックゴースト壊滅後のハナシなので、
敵もサイボーグだったりで基本的に映像はスタイリッシュ。
あえて存在をボカした「彼の声」含め、
敵が敵として存在しない世界なので、
一番の見せ場は研究所防衛の戦闘シーンという事になります。
ギルモア博士もトニースタークもそうですが、
作るモノは一級品なのに、研究所の防衛はかなりおざなりです。
アルベルト、チャンチャンコ、ジェロニモが活躍します。
特にジェロニモは何時の間にそんな能力身に着けたんだ?
ってくらい活躍します。
人間時代から自然の「気」を読み取る能力ありましたけど。


☆6、結局「彼の声」ってなんだったの?

人間だけが内在的に持つ、
破滅喚起要素かつ暴走抑制因子、みたいなナニカ。
「神」と呼んでも「天使」と呼んでもよい存在で、
サイボーグの中では
ブリテン、ピュンマ、ジェット、ジョーがその声を聞きました。
声が聞こえると
金髪碧眼の美少女が現れるんですが、
ジョーの場合のみ、それは同じ年頃の黒髪美少女でした。
ソレがジョーを思い留まらせ、
同時に声からの束縛を解除する要素でもありました。
まぁちょっとよくわかんないですね。
基本的に、羽の生えた人間の化石のくだり含め、
実物的な「カミ」と概念的な「神」の差は上手く描かれています。
作品観終わって考えても、
彼の声自体が物語に及ぼした影響は大きいけど、
その正体に大した意味はないように思えるので、
謎の金髪碧眼美少女でいいと思います。


文句が多い感想文になってしまいましたが、
この作品を見るなら009の後日譚としてではなく、
神山監督が009作るとこうなりますよ、程度の期待で見る事をお勧めします。

ではまた次回。

指輪物語-LOTR-

2014年8月11日 映画
指輪物語-LOTR-
指輪物語-LOTR-
指輪物語-LOTR-


PTQに出れなかったのは非常に残念でした。
レポートというレポートが無いので、
今回は代わりに最近見た映画の話でも。
多くのネタバレを含むので、
これから見たい、という人の為にも肝心の部分は伏せさせて頂きます。


この映画は三部作で
第一部「旅の仲間」は2001年、
第二部「二つの塔」は2002年、
第三部「王の帰還」は2003年に世界中で放映されました。
今回お話するのはその一つ、旅の仲間についてです。

~あらすじ~
物語の舞台は「中つ国(ミドルアース)」と呼ばれる世界です。
その昔、多くの指輪が作られました。
3つの指輪は空の下なるエルフの王達に。
7つの指輪は岩の館のドワーフの君主達に。
9つの指輪は定命の者、死すべき運命の人間の子に。
これとは別に、指輪がありました。
その持ち主はサウロン。
1つの指輪は暗き御座の冥王の為、
影横たわるモルドールの国に。

有名な始まりの言葉があります。
「1つの指輪は、すべてを統べ、
1つの指輪は、すべてを見つけ、
1つの指輪は、すべてを捕えて、
暗闇の中に繋ぎとめる。
影横たわるモルドールの国に。」

サウロンは指輪の力を使い、
全ての生きとし生ける者を滅ぼそうとしました。
これに対して、多くの生き物は団結し、反抗し、
魔王の軍勢に大きな打撃を与えたのです。
とりわけ大きな活躍をしたのが、
人間の王、イシルドゥアでした。
彼は父親が取り落とした剣を拾い、
魔王の指を切り落としました。
力を失った魔王は消えました。
しかし王は指輪を捨てる事が出来ず、
その魔力に憑りつかれたのです。
戦乱の中で、指輪は行方知れずになりました。
魔王は滅び、指輪も消えた。

そう、巷では長く考えられてきました。
実の所、遠い昔に滅んだ魔王の事など皆忘れていたのです。
しかし実際は違いました。
魔王は自らの力を指輪に託し、復活の時を待っていたのです。

ひょんな事から、ホビット族と呼ばれる小人の1人、
ビルボ・バギンズはその指輪を手に入れてしまいます。
彼はある冒険の途中だったのですが、
その指輪の力を借りていくらかの事を成しました。

それから更に時は経ち、
ビルボはその指輪を甥っ子のフロドに譲る事を決めます。
といっても、本当はビルボはそれを手放したくなかったのですが。
魔法使いのガンダルフに諭されて、仕方なく、手放したのです。
指輪には強い魔力があり、
それはかりそめの持ち主を誘惑し、腐敗させ、
本来の持ち主であるサウロンの元に戻ろうとします。
ビルボは長い間指輪を持っていたので、その魔力に侵されていたのです。

指輪を譲り受けたフロドですが、危険がすぐそこに迫っていました。
サウロンに従う幽鬼「ナズグル」が、
指輪の前の持ち主であるゴラムを拷問して、
ビルボが今指輪を持っている、と聞きだしたのです。

フロド達は予期せぬ形で自分達の住むホビット庄を飛び出し、
そして―――。


//
この映画の見所は沢山あります。
ニュージーランドの美しい風景、そこから生まれた中つ国の風景。
魅力的な登場人物達。
闇に潜む恐るべき生物達。
エルフ達の荘厳な館。

私がその中でもお勧めしたいのは、
彼らが何の為に戦ったか。という事です。
この物語はファンタジーでありながら、
個々の人物が非常に際立っています。
多くの登場人物が居るのですが、
その大体はわかりやすく、簡潔に描かれています。

主人公は、強力な魔法を使うのでもなければ、
卓越した剣や弓馬の技術があるわけでもなく、
優れた工匠でもなければ芸術家でもありません。
ホビットという種族について、映画の冒頭で描写があります。
彼らは食べる事が好きで、農耕と酪農で生計を立て、
非常に平和な世界に生きています。

そんな彼らがなぜ指輪を巡る物語の主人公になったのか。
それはまさしく、偶然です。
いくらかは魔法使いのガンダルフのせいもあるかも知れません。
しかし指輪に関わるという決断をしたのは、彼ら自身でした。
野心を持つ人間でもなく、
力を持つドワーフでもなく、
美しいエルフでもなく、
小さなホビットが指輪を持つ事。
それに大きな意味があったのです。

先にも述べましたが、指輪は強力な魔力を秘めています。
力や地位があるものが使えば、たちまちそれは目立ち、
そして結果的に、その「欲望」を利用されてサウロンの手に落ちていたでしょう。
フロドやビルボは、この誘惑と戦うのに適した人材だったのです。

物語の途中で、指輪を巡る旅の仲間が結成されます。
それは指輪を葬り、サウロンを倒すというとてつもなく危険な旅です。
大勢ではいけません。かといって、1人でも無理です。
種族会議が紛糾した時、フロドは指輪を葬る役目を、
1番に買って出ます。
ガンダルフを演じたイアン・マッケランのその時の表情が忘れられません。
その旅が、危険で辛く、決して希望があるとは言えないという事をわかっていたのです。

ガンダルフは自分も旅に加わる事にしました。
自分の英知と技が、旅に役立つ事を知っていましたし、
また、フロドを巻き込んだ責任を取るつもりだったのです。
ストライダーであるアラゴルンもここに加わります。
彼はイシルドゥアの末裔で、その事を恥じても居ましたが、
かつての先祖への畏敬の念を忘れた事はありませんでした。
エルフの王子であるレゴラス、
ドワーフの王子であるギムリもここに加わります。
そして指輪を葬る事に懐疑的だった執政の息子、
ボロミアもここに加わります。
更に会議に忍び込んでいた
ホビットのサム、メリー、ピピンの3人も加わりました。

このままではあらすじどころか全てを書いてしまいかねないので、
多くの事は省きますが、
旅の仲間の中では、もっともボロミアの心理描写が攫みやすいでしょう。
彼は人間の代表の1人であり、
今まさにサウロンの脅威を実直的に感じている人間でした。
森や山の民とは違い、
彼が住むゴンドールは影の国モルドールの目と鼻の先にあり、
サウロン復活の暁に、血祭に挙げられるのは間違いありませんでした。
彼は焦り、恐れていました。
自分の民が滅ぶ前に、何か手を打たなければ。
そんな時、指輪が思いがけなく彼の目の前にやってきたのです。
彼は種族会議の際に、これを武器に敵に殴り込みをかける事を提案します。
そしてその力を人の、自分の為に使えれば、と考えるのです。
これはひどく当然の事です。
ボロミアは分別があり、仲間を愛し愛される、優れた人間です。
その彼でさえ、指輪の力には魅せられたのです。
提案は却下され、旅の仲間にと加わりますが、
彼がよくない考えに蝕まれていく様と、
それに抗って戦う瞬間は、
第一部におけるもっとも重要な人物描写と言えるでしょう。
旅を通して、ほとんど全ての仲間が良くも悪くも「変わって」行きます。
その様子を共に見ていく事も、この映画の楽しみの1つでしょう。

//

物語を3つに大きく分けて場面を区切ると、
「指輪を巡る回想~ビルボからフロドへ
「フロドと幽鬼達の追走劇
「旅の仲間の戦い
この3つに分けられており、
もし一時に見れない時は、
これらを分けて見る事で話を繋げて楽しむ事が出来るかと思います。
もし主人公を比重別に設定するならば、
「サウロンとガンダルフ
「フロドとアラゴルン
「ボロミア
となるでしょう。


各パートの心理描写もさる事ながら、
この話はあくまで第一部。
次の物語への多くの布石も散りばめられています。
アラゴルンはエルフのアルウェンと恋仲ですが、
種族の違いからその恋が実るかはわかりません。
サウロンがどのような形でこれから攻めてくるのか、
様々な問題を孕んだ旅の仲間はその目的を達成できるのか。

モルドールの雷雲逆巻く恐ろしい風景と、
緑溢れるホビット庄ののどかな風景、
そしてその後の雪山や洞窟の壮大な風景。
映像が考えるよりも先に頭に飛び込んできます。
そしていつの間にか私達は、中つ国、ミドルアースへと踏み込んでいるのです。

それでは、また次回。

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