CDCの解説よりもPWC優勝デッキ-CDC NWO-
2014年10月3日 スタンダード「このデッキを作るのに合計12kmチャリを漕いだんですよ!
>何を言ってるのだ
Nicolです
さてさて、新環境の結果が早々と出る中、
私と私個人の周りは自然と色の棲み分けが行われています。
ジェスカイコン、
ティムールミッドレンジ、
スルタイリアニ、
グルールミッドレンジ、
アブザンコントロール。
私はご存じ、
でまぁ、新環境で何が強いのさ?
という話を一昨日ドラフトを交えながら雑談しておりました所、
圧倒的に
「《包囲サイ/Siege Rhino》が強い
という事が言の葉に上りました。
どのように強いのか、という事はわざわざテキストを分解しなくても明らか。
出て3点ドレイン、高いPT、そして付加のトランプル。
色も黒が入っている事で《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》に耐性あり。
色が合致してるという事で、
通常ドラン、アブザンカラーのデッキにフル投入されますね。
まずサンプルレシピ。
関東の遅刻魔さんがPWCで優勝したリストです。
Deck Name: Seed for Future
メイン 61枚
3《平地/Plains》
3《沼/Swamp》
3《森/Forest》
2《静寂の神殿/Temple of Silence(TH)》
2《豊潤の神殿/Temple of Plenty(BG)》
2《疾病の神殿/Temple of Malady(JN)》
3《吹きさらしの荒野/Windswept Heath(KT)》
2《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes(M15)》
1《コイロスの洞窟/Caves of Koilos(M15)》
2《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel(KT)》
1《マナの合流点/Mana Confluence(JN)》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth(M15)》
4《森の女人像/Sylvan Caryatid(TH)》
2《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion(TH)》
3《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix(BG)》
4《包囲サイ/Siege Rhino(KT)》
3《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater(TH)》
3《小走り破滅エンジン/Scuttling Doom Engine(M15)》
2《灰燼の乗り手/Ashen Rider(TH)》
3《生命の遺産/Life’s Legacy(M15)》
3《英雄の破滅/Hero’s Downfall(TH)》
3《アブザンの魔除け/Abzan Charm(KT)》
2《完全なる終わり/Utter End(KT)》
1《エレボスの鞭/Whip of Erebos(TH)》
3《対立の終結/End Hostilities(KT)》
サイド
3《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost(KT)》
2《悲哀まみれ/Drown in Sorrow(BG)》
2《ナイレアの弓/Bow of Nylea(TH)》
2《再利用の賢者/Reclamation Sage(M15)》
1《英雄の破滅/Hero’s Downfall(TH)》
1《対立の終結/End Hostilities(KT)》
2《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion(TH)》
2《起源のハイドラ/Genesis Hydra(M15)》
このデッキは環境初期に流行るであろう、
同カラーのリアニメイトデッキを明確に意識しています。
同型のデッキにパワーで負けないように、
強力生物である《灰燼の乗り手/Ashen Rider》と
《小走り破滅エンジン/Scuttling Doom Engine》が搭載されており、
《包囲サイ/Siege Rhino》の上に大型生物マシマシの構成となっております。
ポイントは、
メインに入っている《対立の終結/End Hostilities》と
《生命の遺産/Life’s Legacy》ですね。
このデッキタイプは通常ドローソースを魔除けに限定する為に、
その行動の幅を遅らせがちですが、
リセットと大幅ドローによって、
ゲームメイクを5-6手目で引いてから7-8手目で押し返す形に変えています。
《包囲サイ/Siege Rhino》を連打すると、
軽量デッキは困りますが、緑単の生物はサイズが大きいため、
そういった相手と戦うとややもするとレース負けします。
そこでサイがパワー負けするグルールなどのデカブツを
全体除去で流して上手く捌ける形になっているわけです。
このデッキ、作成者の方が「試作でたたき台になれば
というニュアンスの事をおっしゃっている通り、
この先どのようにも形を変えられます。
是非その【種】が芽吹く事を個人的に期待しています。
ですが今の段階で特に注視したいのは、
サイドボードに3枚採用されている
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》です。
環境初期のミッドレンジ全てを押しつぶせるのは、
圧倒的なアドバンテージを生み出せるリアニである、
というのが私と調整相手のMTDさんの結論でした。
前環境、前々環境共にリアニを使っていた私達は、
その事をよく知っていたのです。
そして《漁る軟泥/Scavenging Ooze》がローテーション落ちした時、
このアーキタイプが流行ると予想しました。
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》は、
実際にそのリアニの対策として最も有用です。
対して初期のリアニも当然、
それを見越して盤面に触れる生物を多く採用しました。
そのうちの2枚が
《灰燼の乗り手/Ashen Rider》と《死滅都市の悪鬼/Necropolis Fiend》です。
両者共に高マナ域ではあるものの、
《包囲サイ/Siege Rhino》がアナフェンザを止める時間を稼ぐので、
結局の所プレイアブルカードになり得ます。
つまりサイの持つ
・ポルクラノスにはサイズ負けするものの高いタフネス
・ライフドレイン
の2点による時間稼ぎ及び差し合いの部分を上手く活かしていると言えます。
ですから、最初からアナフェンザを意識した攻防が構築段階で行われていた、
と考えられますね。
他にもサイドボードは
今までの蓄積から生み出されている事がよくわかるカードが目白押しです。
《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
ライフゲインだけでなく、こちらが殴りに行くときに最も輝きます。
ハチを撃ち落とすだけでなく、
《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》を
接死砲台へと変貌させます。
以前も述べましたが、
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》は
同じカラーの相手と戦う時に、圧倒的優位を作れます。
それと同時に、徹底的にカウンター、除去をしてくる
青黒系のコントロールにもそこそこ効果的です。(スフィンクスには弱いですが)
《起源のハイドラ/Genesis Hydra》と《再利用の賢者/Reclamation Sage》
前者から後者が出る事もあります。アナフェンザも同様に探せますね。
《召喚の調べ/Chord of Calling》よりもハイドラが優先されているのは、
これが生物であるという事、そのアドバンテージです。
賢者も同じで、生物である事がこの環境は地味に関係してきます。
生物を出す事と相手の《払拭の光/Banishing Light》や
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》が割れる事が同時に出来るからです。
メインの除去を黒に寄せたのも、
この賢者が環境初期にメイン採用があり得る為でしょう。
実際にTOP8に緑系が多い事から、
この選択は正解だった事が窺えます。
というわけで、アブザンカラーのデッキは、
暫くオールレンジ型のデッキと、リアニメイト型のデッキが凌ぎを削る事になるでしょう。
星座は一歩出遅れましたが、リアニの後を追従する形です。
これらのデッキの登場により、
初期環境で優勢と思われた
赤、黒の速攻型デッキは勢いを削がれた形になっています。
着々と活躍の場を広げ始めた
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》にも注目です。
今後も《包囲サイ/Siege Rhino》を見ない日は無さそうですね。
では、また次回!
コメント