Make it Bravo-Replay-
2015年4月16日 スタンダード:リプレイ>両立完了
Nicolです。
白マスに
「お前の作ったウィップが世間から乖離しすぎてる。
激シブポイント高過ぎる。わかるように懇切丁寧に説明しろ。
と言われたので
わからなきゃ放っといてくれ
是が非でも説明しなきゃね!って事で今回やりますよ。
★導入部―鞭デッキって何者?
リストの方は割愛。
なんでやねん、って毎日形が変わるから。
世間一般で広く流布している「シディシウィップ」
というアーキタイプは、殆どがPTやSCGOやTCG5kのコピー。
でもリスト見てもイマイチ強さがわからんって事、多いですよね。
そこで改めて鞭デッキについてそのあり方から説明します。
KTKで《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》を得た鞭デッキは、
墓地をリソースとしながら戦うミッドレンジ型のデッキでした。
《残忍な切断/Murderous Cut》や《時を越えた探索/Dig Through Time》
を使いながら、相手との手数差、リソース差を活かして、
レイトゲームを狙うデッキです。
従って構成は
・墓地を肥やすカード
・探査持ちのカード
・戦場に出た時に能力が誘発するデカブツ
・鞭
で構成されています。
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》で墓地に落ちた
カードは通常のデッキでは上手く使えませんが、
専用構築を施したこのデッキでは
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》
によって再び戦場に舞い戻らせる事が出来るのです。
レイトゲームが得意なため、
除去が火力であるジェスカイやマルドゥ、
地上が主戦場である
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》に対して強いデッキでした。
逆にアンフェアデッキの筆頭である
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》入りの信心、
フェアデッキの黄金時代を築いた
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》入りのアブザン
などが苦手でしたね。
★DTKで何が変わったのか?―運命再編後
サルカンによってメタゲームまでもが書き換えられた昨今、
鞭デッキは何を得て、何を失ったのでしょうか。
・《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
・《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
TCG5kやSCGOで使われたのがこのカード達です。
また以前は居なかった
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》が
メインに登場しています。
他方で敵が使うカードとして、
《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》が環境に出現しました。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》や
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》に対する
最適解として印刷されたこのカードは、
鞭デッキの使用者を苦行の道へと誘いました。
この命令によって、
鞭デッキはそのあり方を変える事を余儀なくされます。
鞭デッキを組む上で大きく変化させた部分といえば、
まず《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》の登用解除です。
このカードはトークンズ系デッキに対して強いカードでしたが、
先述した《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》にひどく弱く、
またトークン以外のカードに対してあまり有効ではない事、
信心デッキが《女王スズメバチ/Hornet Queen》から
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》に乗り換えた事などが
メインから姿を消した理由でした。
それでもまだ有効な手段なので
《苦痛の公使/Minister of Pain》に形を変えたり
《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of Affliction》と
パッケージでサイド後戦術として残したりしてますね。
メインにおける対トークンは除去に強い
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
が担当する事になりました。
次に《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
を入れる事で、初期手札の鞭に頼らない戦い方が可能になりました。
依然として鞭が有効なマッチアップは多いですが、
いざ出ても生物が少なかったり、
逆に生物が居ても鞭を引かなかったりする事が今までのネックでした。
両方を同時に解決する生物が、この大臣シディシです。
濫用元としては、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》や
ゾンビトークンが常ですが、
墓地から帰る算段がついていれば
《奔流の精霊/Torrent Elemental》などを選ぶ事も出来ます。
この柔軟なカードを入れる事で、
SCGOのリストなどに見られる
所謂”銀弾”戦術が可能になりました。
《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》は
緑赤系デッキに対して特効で、
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》に焼かれるものの、
それ以外のパターンでは除去し辛く、
誘惑蒔き以上の効果を期待出来ます。
奪った生物ごと相手の戦線に乗り込めますし、
戦線を維持するのにも役立てます。
内外の構築変化によって、
鞭デッキも得意不得意が変わりました。
まず今まで苦戦していた《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
に対するカードが増えた為、
メインボードで赤緑ドラゴンに有利がつきます。
逆に今まで比較的楽に対応してきた
緑白系のデッキには苦戦します。
この変化を踏まえて、
私のリストのカードを説明させて頂きます。
★概念をぶち壊せ―自分が必要なものを使え
説明を求められたカード群は以下の通り。
《苦痛の公使/Minister of Pain》
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
《目覚めし処刑者/Risen Executioner》
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》
《苦痛の公使/Minister of Pain》
《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》が
居なくなった枠を埋め、かつ必要なマッチアップ
赤単とジェスカイトークンで3ターン目に唱えられるカード。
黒いデッキでありながら、
生物準拠の戦術を採るので《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》は
戦略上の矛盾を抱えていて採用を躊躇します。
もちろんマナクリデッキやフェニックスデッキでも
《神々の憤怒/Anger of the Gods》は使いますが、
鞭デッキではそのリスクを冒さずに問題を解決できるので、
このカードがある限りそのような矛盾点を持つ構成にする必要は無いと言えます。
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》
よく《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を
抜いてまでこちらを使う理由を聞かれるので、
便宜上の話をしますと単純にライフゲインが必要だからです。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
がライフを4点稼ぐまでに4ターンかかるのに対して
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》は何もライフを与えてくれません。
しかし実戦においては訳が違います。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
飛行生物を一切止められませんが
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》は
必ず一度《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》をキャッチできます。
そうすれば、4点のライフを得ているに等しい働きをするわけです。
構築面で言えば
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を採用せずに
使う《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
戦術的にもカード的にも優れているとは言い難いです。
信心デッキでは必要なパーツであり、
数少ないドローアドバンテージなので必要ですが、
それ以外のデッキではほとんど無為なカードと言えます。
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
のパッケージを使うのなら狩猟者はリスクを負っても使いたいカードです。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
ライフと安定した土地供給に寄与しますし、
そういったデッキはとてつもない大技《書かれざるものの視認/See the Unwritten》なり
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》なりを持っているものです。
ただし、それ以外の時はいけません。
常日頃言っていますが、トップがバレるというのは
それだけで負けが決まるぐらい重要な事です。
現在テレパシーカードが少ない理由は、
ゲームがつまらなくなるという理由以外に、
相手の手札がわかるという事がかなり重要だという事を示しています。
ですから私は大事な勝負の時にこのカードを使いません。
相手が自分より上手である事は明白ですし、
全てが上手くいくほど”ツイて”いるならこのカードを使う必要は無いからです。
そしてアドバンテージの話で言うと、
これも鞭デッキでは然したる必要性を感じません。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》と同じ強制力の話になります。
例えばトップがタップインランドだったとして、
それを置く事で本来このターン唱えられるはずの
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》が唱えられなかったらどうでしょう?
アンタップの土地を出してシディシをプレイすればよいと?
なら何の為に《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を出したのです?
そんな重箱の隅をつつく真似をしなくても、
と言われるかもしれませんが、
一度でも意味の無い働きをするカードを入れるほど、
鞭デッキは余裕のあるデッキではありません。
《残忍な切断/Murderous Cut》の2アクションで盤面を取り戻せたとしても、
テンポとライフ、盤面を進んで失えるほどのパワーデッキではないのです。
ライフと情報、2つの意味合いで私は鞭デッキでは
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》よりも
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》の方が優れていると考えています。
例え《稲妻の一撃/Lightning Strike》を受けるリスクを負っても、
それはすなわち《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》が
生き残りやすい事に繋がるので明確に良い取引です。
むしろ《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》が生き残る試合では
どうあっても盤面を覆す事は出来ません。シディシが狙い撃ちされるからです。
また、6ターン目以降に引いた時、鞭で釣った時も同様です。
織り手は落ちた除去や鞭を回収出来ますが
狩猟者は出しても然したる働きは期待出来ません。
場に残るリソースとして扱ったとしても、
ニクスの織り手の方が有用なのです。
《道の探求者/Seeker of the Way》が
《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》にとって代わられた事を見れば、
この変更も不可思議というほど無茶な変更ではないのです。
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
このカードは個々のポテンシャルが高い、
アブザン系統のデッキに特効です。
《自傷疵/Self-Inflicted Wound》が出るまで、
このカードは呪禁に有効な数少ない手段でした。
場に残ればライオンと相討ちするパワーを持っています。
また《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》に対する回答としてももってこいです。
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
これは打点のある《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》です。
2,3tに順当に生物を唱えていれば、
着地時点で速攻もありえます。
他のデッキと違ってこのデッキで有効性が高い理由は
《奔流の精霊/Torrent Elemental》や
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》といった、
攻撃する事で能力誘発する生物が居る事です。
《目覚めし処刑者/Risen Executioner》
何度除去しても打ち消しても、
取り除かない限りこいつは復活します。
龍王デッキであろうと、既存のリストであろうと、
コントロールでこのカードを止めるのは困難です。
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》
知っての通りこのカードは極めて強力なカードです。
《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》とセットで、
採用するカードですね。
能力もさることながら、その打点の高さも特筆事項です。
現状では《女王スズメバチ/Hornet Queen》よりも強いマッチが多いうえ、
いざハチと対峙しても迷わず突っ込める強さがこのカードにはあります。
盤面一掃兼フィニッシャーの役割を担い、
次世代鞭デッキのエースとして活躍するでしょう。
こんな所だろうか。
かく言う私も、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》から
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》に鞍替えするまでは、
当然のようにモヒカンライフゲイナーを使っていた訳で。
しかもそれで勝ち続けていたから、疑問にも思わなかった。
赤単の時はあれほど個別の実効性を重視していたのに、
鞭デッキの時は《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》に
甘えていた気がします。
逆風しか吹かないデッキ。
また次回。
Nicolです。
白マスに
「お前の作ったウィップが世間から乖離しすぎてる。
激シブポイント高過ぎる。わかるように懇切丁寧に説明しろ。
と言われたので
是が非でも説明しなきゃね!って事で今回やりますよ。
★導入部―鞭デッキって何者?
リストの方は割愛。
なんでやねん、って毎日形が変わるから。
世間一般で広く流布している「シディシウィップ」
というアーキタイプは、殆どがPTやSCGOやTCG5kのコピー。
でもリスト見てもイマイチ強さがわからんって事、多いですよね。
そこで改めて鞭デッキについてそのあり方から説明します。
KTKで《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》を得た鞭デッキは、
墓地をリソースとしながら戦うミッドレンジ型のデッキでした。
《残忍な切断/Murderous Cut》や《時を越えた探索/Dig Through Time》
を使いながら、相手との手数差、リソース差を活かして、
レイトゲームを狙うデッキです。
従って構成は
・墓地を肥やすカード
・探査持ちのカード
・戦場に出た時に能力が誘発するデカブツ
・鞭
で構成されています。
《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》で墓地に落ちた
カードは通常のデッキでは上手く使えませんが、
専用構築を施したこのデッキでは
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
《イニストラードの魂/Soul of Innistrad》
によって再び戦場に舞い戻らせる事が出来るのです。
レイトゲームが得意なため、
除去が火力であるジェスカイやマルドゥ、
地上が主戦場である
《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》に対して強いデッキでした。
逆にアンフェアデッキの筆頭である
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》入りの信心、
フェアデッキの黄金時代を築いた
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》入りのアブザン
などが苦手でしたね。
★DTKで何が変わったのか?―運命再編後
サルカンによってメタゲームまでもが書き換えられた昨今、
鞭デッキは何を得て、何を失ったのでしょうか。
・《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
・《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》
TCG5kやSCGOで使われたのがこのカード達です。
また以前は居なかった
《黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang》が
メインに登場しています。
他方で敵が使うカードとして、
《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》が環境に出現しました。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》や
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》に対する
最適解として印刷されたこのカードは、
鞭デッキの使用者を苦行の道へと誘いました。
この命令によって、
鞭デッキはそのあり方を変える事を余儀なくされます。
鞭デッキを組む上で大きく変化させた部分といえば、
まず《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》の登用解除です。
このカードはトークンズ系デッキに対して強いカードでしたが、
先述した《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》にひどく弱く、
またトークン以外のカードに対してあまり有効ではない事、
信心デッキが《女王スズメバチ/Hornet Queen》から
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》に乗り換えた事などが
メインから姿を消した理由でした。
それでもまだ有効な手段なので
《苦痛の公使/Minister of Pain》に形を変えたり
《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of Affliction》と
パッケージでサイド後戦術として残したりしてますね。
メインにおける対トークンは除去に強い
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》
が担当する事になりました。
次に《アンデッドの大臣、シディシ/Sidisi, Undead Vizier》
を入れる事で、初期手札の鞭に頼らない戦い方が可能になりました。
依然として鞭が有効なマッチアップは多いですが、
いざ出ても生物が少なかったり、
逆に生物が居ても鞭を引かなかったりする事が今までのネックでした。
両方を同時に解決する生物が、この大臣シディシです。
濫用元としては、《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》や
ゾンビトークンが常ですが、
墓地から帰る算段がついていれば
《奔流の精霊/Torrent Elemental》などを選ぶ事も出来ます。
この柔軟なカードを入れる事で、
SCGOのリストなどに見られる
所謂”銀弾”戦術が可能になりました。
《龍王シルムガル/Dragonlord Silumgar》は
緑赤系デッキに対して特効で、
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》に焼かれるものの、
それ以外のパターンでは除去し辛く、
誘惑蒔き以上の効果を期待出来ます。
奪った生物ごと相手の戦線に乗り込めますし、
戦線を維持するのにも役立てます。
内外の構築変化によって、
鞭デッキも得意不得意が変わりました。
まず今まで苦戦していた《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
に対するカードが増えた為、
メインボードで赤緑ドラゴンに有利がつきます。
逆に今まで比較的楽に対応してきた
緑白系のデッキには苦戦します。
この変化を踏まえて、
私のリストのカードを説明させて頂きます。
★概念をぶち壊せ―自分が必要なものを使え
説明を求められたカード群は以下の通り。
《苦痛の公使/Minister of Pain》
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
《目覚めし処刑者/Risen Executioner》
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》
《苦痛の公使/Minister of Pain》
《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》が
居なくなった枠を埋め、かつ必要なマッチアップ
赤単とジェスカイトークンで3ターン目に唱えられるカード。
黒いデッキでありながら、
生物準拠の戦術を採るので《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》は
戦略上の矛盾を抱えていて採用を躊躇します。
もちろんマナクリデッキやフェニックスデッキでも
《神々の憤怒/Anger of the Gods》は使いますが、
鞭デッキではそのリスクを冒さずに問題を解決できるので、
このカードがある限りそのような矛盾点を持つ構成にする必要は無いと言えます。
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》
よく《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を
抜いてまでこちらを使う理由を聞かれるので、
便宜上の話をしますと単純にライフゲインが必要だからです。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
がライフを4点稼ぐまでに4ターンかかるのに対して
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》は何もライフを与えてくれません。
しかし実戦においては訳が違います。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
飛行生物を一切止められませんが
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》は
必ず一度《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》をキャッチできます。
そうすれば、4点のライフを得ているに等しい働きをするわけです。
構築面で言えば
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を採用せずに
使う《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
戦術的にもカード的にも優れているとは言い難いです。
信心デッキでは必要なパーツであり、
数少ないドローアドバンテージなので必要ですが、
それ以外のデッキではほとんど無為なカードと言えます。
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
のパッケージを使うのなら狩猟者はリスクを負っても使いたいカードです。
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は
ライフと安定した土地供給に寄与しますし、
そういったデッキはとてつもない大技《書かれざるものの視認/See the Unwritten》なり
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》なりを持っているものです。
ただし、それ以外の時はいけません。
常日頃言っていますが、トップがバレるというのは
それだけで負けが決まるぐらい重要な事です。
現在テレパシーカードが少ない理由は、
ゲームがつまらなくなるという理由以外に、
相手の手札がわかるという事がかなり重要だという事を示しています。
ですから私は大事な勝負の時にこのカードを使いません。
相手が自分より上手である事は明白ですし、
全てが上手くいくほど”ツイて”いるならこのカードを使う必要は無いからです。
そしてアドバンテージの話で言うと、
これも鞭デッキでは然したる必要性を感じません。
《前哨地の包囲/Outpost Siege》と同じ強制力の話になります。
例えばトップがタップインランドだったとして、
それを置く事で本来このターン唱えられるはずの
《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》が唱えられなかったらどうでしょう?
アンタップの土地を出してシディシをプレイすればよいと?
なら何の為に《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を出したのです?
そんな重箱の隅をつつく真似をしなくても、
と言われるかもしれませんが、
一度でも意味の無い働きをするカードを入れるほど、
鞭デッキは余裕のあるデッキではありません。
《残忍な切断/Murderous Cut》の2アクションで盤面を取り戻せたとしても、
テンポとライフ、盤面を進んで失えるほどのパワーデッキではないのです。
ライフと情報、2つの意味合いで私は鞭デッキでは
《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》よりも
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》の方が優れていると考えています。
例え《稲妻の一撃/Lightning Strike》を受けるリスクを負っても、
それはすなわち《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》が
生き残りやすい事に繋がるので明確に良い取引です。
むしろ《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》が生き残る試合では
どうあっても盤面を覆す事は出来ません。シディシが狙い撃ちされるからです。
また、6ターン目以降に引いた時、鞭で釣った時も同様です。
織り手は落ちた除去や鞭を回収出来ますが
狩猟者は出しても然したる働きは期待出来ません。
場に残るリソースとして扱ったとしても、
ニクスの織り手の方が有用なのです。
《道の探求者/Seeker of the Way》が
《魂火の大導師/Soulfire Grand Master》にとって代わられた事を見れば、
この変更も不可思議というほど無茶な変更ではないのです。
《無慈悲な処刑人/Merciless Executioner》
このカードは個々のポテンシャルが高い、
アブザン系統のデッキに特効です。
《自傷疵/Self-Inflicted Wound》が出るまで、
このカードは呪禁に有効な数少ない手段でした。
場に残ればライオンと相討ちするパワーを持っています。
また《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》に対する回答としてももってこいです。
《狩猟の統率者、スーラク/Surrak, the Hunt Caller》
これは打点のある《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》です。
2,3tに順当に生物を唱えていれば、
着地時点で速攻もありえます。
他のデッキと違ってこのデッキで有効性が高い理由は
《奔流の精霊/Torrent Elemental》や
《漂う死、シルムガル/Silumgar, the Drifting Death》といった、
攻撃する事で能力誘発する生物が居る事です。
《目覚めし処刑者/Risen Executioner》
何度除去しても打ち消しても、
取り除かない限りこいつは復活します。
龍王デッキであろうと、既存のリストであろうと、
コントロールでこのカードを止めるのは困難です。
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》
知っての通りこのカードは極めて強力なカードです。
《精霊龍の安息地/Haven of the Spirit Dragon》とセットで、
採用するカードですね。
能力もさることながら、その打点の高さも特筆事項です。
現状では《女王スズメバチ/Hornet Queen》よりも強いマッチが多いうえ、
いざハチと対峙しても迷わず突っ込める強さがこのカードにはあります。
盤面一掃兼フィニッシャーの役割を担い、
次世代鞭デッキのエースとして活躍するでしょう。
こんな所だろうか。
かく言う私も、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》から
《ニクスの織り手/Nyx Weaver》に鞍替えするまでは、
当然のようにモヒカンライフゲイナーを使っていた訳で。
しかもそれで勝ち続けていたから、疑問にも思わなかった。
赤単の時はあれほど個別の実効性を重視していたのに、
鞭デッキの時は《血の暴君、シディシ/Sidisi, Brood Tyrant》に
甘えていた気がします。
逆風しか吹かないデッキ。
また次回。
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