>夢から醒めて
Nicolです。

久しぶりにメタのお話。
今のスタンダード環境にどんなデッキがあるかと

・アブザンアグロ
・アブザンコントロール
・緑赤信心
・緑白アグロ
・赤単アグロ
・ジェスカイテンポ
・先祖の結集コンボ
・緑白星座
・青赤魂込め

ざっと見てこれだけある。
加えて

・バント英雄
・青赤ライブラリーアウト
・スゥルタイ契約コントロール
・スゥルタイウィップ
・青多色信心

辺りがローグながらも稀に上位に食い込んでいたりする。

まず、前環境からの大きな変化を踏まえて、
なぜこのようなメタが形成されたのかを述べよう。


1―オリジンが与えた影響
オリジンは多くのカードをスタンダードに与えたけれど、
中でも《衰滅/Languish》と
《搭載歩行機械/Hangarback Walker》
《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》
の3つは今日ダントツで使われている。
特に環境を大きく変えたのが衰滅と歩行機械で、
これらは色が合うデッキには軒並み入れられる上に、
ラヴニカへの帰還以来久しく忘れられていた
「4ターン目に全体除去が飛んでくる環境」

「ピン除去に滅法強いクリーチャー」
をプレイヤーに意識させた。
至高の評決と復活の声が帰ってきたわけだ。

新しいPWの活躍も目覚ましい。
《ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy》は
ジェスカイテンポに引き撃ち戦略の厚みと序盤の手札循環を与え、
《巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer》は
赤緑信心にありがちな土地スクリューを緩和しつつ、PWのプレッシャーも持ち、
《異端の癒し手、リリアナ/Liliana, Heretical Healer》は
先祖の結集コンボをよりビートダウン寄りに組み替えた。

それぞれのデッキについては次回以降語るとして、
最終環境に至っておよそ全てのデッキが強化された。
そんな中で、前環境は猛威を振るったものの、
姿を完全に消してしまったデッキがあった。
ESP龍王デッキだ。
このデッキは《龍王オジュタイ/Dragonlord Ojutai》を
軸として据えているために、
《衰滅/Languish》での巻き添え、無効化を避けたいプレイヤー達は
このデッキから速やかに離れた。


2―駒は進む。意思を持たずに
まずPTORIで多くのプレイヤーは、
自分達の環境が高速環境である事に気づいた。
《ケラル砦の修道院長/Abbot of Keral Keep》と
《極上の炎技/Exquisite Firecraft》が入った赤単が優勝し、
他方で緑白《硬化した鱗/Hardened Scales》デッキが好成績を収め、
《先祖の結集/Rally the Ancestors》コンボが鞘虫で相手の意表を突き、
青赤《アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact》が颯爽と現れた。
オリジンのカードはどれも環境を高速化するに足る性能を併せ持っていたのだ。

これにより
《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》を基盤にした信心、
《死霧の猛禽/Deathmist Raptor》を基盤にした緑シェル大変異のデッキには、
より素早いデッキのアプローチが有効である事が示された。
次の週からは早速対応の応酬が始まる。
アブザンアグロは
現れた全ての新星を打ち落とすスペックを持っているので、
容易に彼らの上に立つ事が出来た。
《先頭に立つもの、アナフェンザ/Anafenza, the Foremost》は、
いくつかのデッキのコンセプトを完全否定した上で、
3ターン目に重大な決断を迫るからだ。
そしてアグロがいるなら、コントロールもいる。
龍王無き今、唯一の《衰滅/Languish》デッキとして
アブザンコントロールが復帰した。
両者に共通するのは、
《ドロモカの命令/Dromoka’s Command》のユーティリティとしての強さと、
《衰滅/Languish》の制圧力に強さの比重を置いているところだ。
(包囲サイはいつだって強い事は私も知っている)
新星は軒並みドロモカ命令を苦手とするカードを積んでいる。
衰滅は展開するべきか否かを判断させる極めて重要なパーツとなった。

そこで現在はメタがぐるぐる回っている。
PTO以後は、そこで優勝したデッキが。
その次にアブザンアグロ、それを狙ったアブザンコントロールが。
次はそれに勝てるアンフェアとして赤緑信心やフェア同型のジェスカイテンポが。
それぞれに名乗りを上げている状況だ。


また、環境に次も使えるカードが既に現れ始めている事を認識したい。
タルキール龍紀伝の命令サイクルと龍王、
そして《集合した中隊/Collected Company》は今後も使用できる。
オリジンで一時代を築き上げた《搭載歩行機械/Hangarback Walker》は
今後も色を選ばない性質上、どこかのデッキで使われ続けるだろう。

また次回。

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